放課後の教室は、夕日で赤く染まっていた。
他のクラスメイトはとっくにいて、静かな空気だけが残っている。
「……日本、まだ帰ってなかったんだ」
振り返ると、アメリカさんがドアのところに立っていた。
いつも通り笑っているのに、どこかその声が低い。
「ロシアに呼ばれた?」
「え?」
「さっき、あいつが探してた。……お前のこと」
その瞬間、アメリカさんの笑顔が少しだけ歪んだ。僕 は何も言えなかった。 胸の奥で、何かが静かに鳴る。
アメリカさんは僕の前に立ち、机に手をついた。
距離が近い。いつもよりずっと。
「なぁ、日本。……俺、もう隠すのやめるわ」
息を呑む。
「俺、お前が好きだよ」
その言葉が空気を震わせた。
冗談のような軽さはない。
ただ真っ直ぐで、熱くて、逃げ場がなかった。
「……冗談、ですよね」
「違う」
アメリカさんは静かに笑った。
「ずっと見てた。初日から。誰よりも近くで、お前のことばっか考えてた」
僕は、言葉が出なかった。
頭の中が真っ白になる。
そのとき──
「おい、クソリカ」
低い声が、教室の入口から響いた。
ロシアさんが立っていた。
夕日を背にして、影が長く伸びる。
「……タイミング悪。」
アメリカさんが吐き捨てるように言う。
けれどロシアさんは、何も返さないまま、僕を見つめた。
「俺も、日本が好きだ」
教室の空気が一瞬で凍りついた。
僕は思わず立ち上がる。
「え、えっと……そんな──」
ロシアさんは静かに言葉を重ねた。
「最初から、アメリカのことなんてどうでもよかった。 お前が笑うたびに、他の奴らが触れるたびに、胸が焼けた。
……だから、我慢してた。でも、もう無理だ」
アメリカさんが一歩前に出る。
「日本は、俺といるほうが幸せだよ。」
ロシアさんは表情を変えずに言う。
「日本、こいつと一緒になったらもう戻れなくなるぞ。」
二人の声がぶつかる。
どちらも、嘘じゃない。
僕の中で、何かが軋む音がした。
好き、という言葉を、こんなふうに向けられたのは初めてだった。
胸の奥で、何かが暴れ出す。
怖い。でも、嬉しい。
どうして、涙が出そうなんだろう。
「……少し、考えさせてください」
そう言っても、二人は何も言わなかった。
ただ、僕の事を見ていた。
真剣に、まっすぐに。
教室を出たあとも、二人の視線の熱だけが背中に残っていた。
この選択が、誰かを傷つけると分かっていても──
もう、逃げられない。
以上です。
両方とも書くつもりですが
アメリカendとロシアend
どちらを先に見たいですか?
コメントで教えてくれると有難いです。
コメント
4件
えぇぇぇっ、、前の作品がアメ日だったのでロシアENDから見たいです、!
いやどちらも見たぁぁぁい!!((発狂 はぁ、まじで天才だと思います😊