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(RAN視点)
仕事を終え、カイリュウの家に向かいながら、電話をかけた。
電話に出ない。
心配になって、何度かかけ直すと、電話が繋がった。
「カイリュウ、?仕事終わったから、今から…」
今から行くね、と言おうとしたとき、カイリュウが鼻をすする音が聞こえた。
「…カイリュウ、?」
「っ……ごめ、ごめん、らん、っ、…おれ……っ、」
「カイリュウ…っ?!どしたん…っ、なにがあったん?大丈夫…っ、?」
「っ、ごめん、……ごめ…っ、」
「っ……今から行くから、待ってて。」
泣きながらただただ謝るカイリュウ。
その声に胸が苦しくなりながら、急いでカイリュウの家に向かった。
***
カイリュウの家に着いて、インターホンを押すのも忘れドアノブに手をかけた。
「っ…え、」
玄関の鍵が、開いていた。
「っ、カイリュウ、?!」
何かあったのかもしれない。
急いで中に入ってリビングに向かうと、入ってすぐに壁にもたれて座り込み、頭を抱えているカイリュウがいた。
泣いている息遣いが聞こえる。
「っ…カイリュウ…?」
近づいて、抱きしめるとさらに嗚咽を漏らして泣き始めた。
「っ…らん、っおれ…、ごめん、っ、…」
謝るだけで、何も言わないカイリュウ。
「うん…うん、ゆっくりでええから…もう謝らんでええよ、?」
カイリュウを宥めながら、傍にぬいぐるみが放られているのが目に入った。
小さな、カワウソのぬいぐるみ。
その動物で浮かぶのは1人しかいない。
開いていた玄関の鍵。
カイリュウに染み付いた、たっくんの香水の匂い。
何があったか知るには、十分だった。
「っ、ほんまに、…ごめん、っ、らん、っ、…」
ただ謝るだけのカイリュウ。
ラン、と呼ぶその声に、
泣かせているのは、たっくんなのか、俺なのか、分からなくなった。
たっくんに、何かされたのかもしれない。
それとも。
俺に、縛られて苦しい思いをしているのかもしれない。
色んな感情が一気にぐるぐると頭を回った。
カイリュウに何したんだよ。
何を、言った?
カイリュウは、どう思った?
香水の匂い。
きっと触れ合っている。
触んなよ。
ふざけんな、
カイリュウをこんな風にしやがって。
でも、
カイリュウは、まだ俺のものじゃない。
でも、
一秒も、たっくんを見てほしくない。
でも、
もし、
俺のこの感情が、涙になっているのなら。
頭の中がぐちゃぐちゃになって、
最後に残った感情は、
カイリュウを、泣かせたくない、だった。
こんなに苦しめるなら。
優先するのは、もちろん、
カイリュウだ。
「……カイリュウ、自分の事だけ考えていいんよ」
「っ…、らんっ、?」
「誰にも気遣わんで。カイリュウの好きにしてええんよ。…カイリュウが辛いのが、俺は1番嫌だから。カイリュウが幸せになる事だけを考えてほしい」
「っ…、う、っ、…ぅ、らん、っ、らん…っ、」
「…今日は、帰るね。ゆっくり休んで、」
精一杯、言葉を振り絞った。
震える手で、カイリュウを強く抱きしめた後、
離れて、玄関へ向かった。
本当は、今日、カイリュウに告白するつもりだった。
でも、カイリュウをこれ以上泣かせたくない。
色んな感情を必死に抑えながら、カイリュウの家を後にした。
コメント
6件

言葉が出ない😭
らんちゃん😭😭😭😭😭2人とも気遣いがすごいよ😭😭😭らんごめんってどういうことなんやろ、?めっちゃ続き楽しみ‼️

更新のお知らせが来たら真っ先に読みに来てしまうくらい楽しみにしております。 とっても応援してます!