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「私ね、転校ばっかだったと言ってたじゃない? だけど全然淋しくなくて、新しい環境に行くのも怖くなかった。転校したらみんな話しかけてきてくれて、優しくて、友達が出来ないなんて一度もない。だけど、せっかく仲良くなった子たちとの別れに何も感じなくて、心に残っている子は誰もいない。妹には一生の友達と呼べる子がいて今もレンラクを取り合うぐらいなのに、この違いはなんなんだろうって。その理由に気付いたのは二つ前の転校先で、中学二年の時だったの」
目が潤んで、唇をキュッと噛み締める姿はどこまでも苦しそうで、それほど辛い出来事だったのだろうと鈍い私でも分かる。
「中学生ってSNSやるじゃない? みんなで踊ったりとか映えスポット行ったりとか。ぜんぜん興味なかったけど仲良くなるためだって合わせてたけど、だんだん疲れてきたんだよね。ちょうどその時ぐらいから親はケンカばっかしてたし、妹は病んで不登校になるし。だからしばらくは行けないって断って、理由聞かれたから思い切って相談したら、『そんなことパァーと盛り上がって忘れたら良いじゃん』って感じで軽く流されたんだよね……」
麗華はお母さんと妹さんの三人暮らしで、お父さんはいないと言っていた。
もしかして両親のゴタゴタとか見てきたのかな。
ウチも一回、お母さんとお父さんが大ケンカして三日間会話がなかったことがあった。今となると、原因を忘れるぐらいつまらない理由だったけど、あの頃は不安で仕方がなかった。
このままだったらどうしよう。
一緒に暮らせなくなったらどうしよう。
自分が悪いんじゃないかって。
小学生の頃だったから私には綾香と伊織がいてくれて、「大丈夫だよ」、「文のせいじゃないよ」と言ってくれたから、なんとかやり過ごすことが出来たんだった。
なのに麗華には、そうやって相談出来る人もいなかったなんて。やっと話せたのに流されたなんて。
「今は辛いと話しているのに、スマホを向けられて笑ってと言ってくる。不意に家のこと話したら、テンション下がると流される。そんなことが続いて、まあ、結局両親は離婚して引っ越すことになったんだけど、転校が決まった途端に誰も話しかけてくれなくなったんだよね。私、ノリ悪かったし仕方がないかって新しい中学校に転校すると、クラスの子が話しかけて来てくれたんだけど、みんな同じ。一方的に話してきて、私の話なんて誰も聞いてくれない。SNSは興味ない、読書が好きで本ばっか読んでると話しても誰もそこには触れずに、踊ろうとか映え写真撮ろうとか、興味ないことを強要してくる。イヤだと断れば、残念な子だとクラスの子たちにコソコソ話される。その時にようやく気付いたんだよね、みんなは私の外側にしか興味ないって。何が好きで、何を考えているかとか、私の中身には一切興味すら持ってくれない。みんなと同じことをして、笑って、ノリを合わせていたら良い存在。……そんなの、魂が入ってない人形と同じじゃないっ!」
「麗華……」
今まで抑えてきた気持ちが溢れたのか、麗華は目元を抑え声を震わせている。
見た目の良い麗華の気持ちなんて、私なんかに分からない。分かるはずない。
だけど、いいように利用されてきた私には、どこか気持ちが分かる。
割り振られたキャラになることを求められて、私の考えや意見なんか聞いてくれず、いつも一方的に押し付けられる関係。
私も、苦しかったから。
「麗華は、私の大切な友達だよ」
私より背が高い体をそっと抱きしめる。
友達は平等な関係。手を貸してもらうんじゃなくて、自分で立ち上がらなければならない。
そうじゃないと友達じゃなくて、依存の関係になってしまう。
さっきはそう思ったけど、それだけじゃないと思うんだ。
辛い時は相手に甘えていいし、相手が苦しそうなら全力で支える。
本気で相手を想って、心配して、出来る限り力になろうとする。
それが、ホントの友達じゃないかな?
今まで読んできた小説のテンプレみたいな結論出しちゃったけど、だってそれ以上の答えがないから、それで良いんだよね。
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#極道
鷹槻れん

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世羅 鈴🎨🎤
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繭ネ
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