テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,019
716
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【焦燥に似た殺意】
組織に入って軽く一か月がたった
例の飴の販売と殺人、恐喝その他もろもろ
この場所で生きていくならと全部叩き込まれた
そんな私は今は部屋にいる
凸さん直々に部屋の片づけを任されている
ちまちま書庫のほうも見ているがこれといった事故の資料のものはなかった
もしかして合間で資料削除してるとかあるんかな、、、
でも少しずつ真相みたいなものは分かりかけてるのかもしれない
「掃除頼まれてるんだからいいよね、、、?」
そういって目の前にある扉につぶやく
そう来て次の日に入ろうと思ったらすぐ止められたあいつの部屋
、、確か今日は遠くの港の方に出るって言ってたな
しかもまだ拠点を出たばっかり、、、、
さすがに止められたりはないはず
多分
今日こそ3、2、1で入ろう
「3」
「2」
「1」
そのまま少しだけ扉があいた
奥に何か物があるようで完全にはあかなかった
とりあえず中に入ってみるとものが散乱していた
ものというより書類だった
けど散らかっているのはなんとなくイメージ通りかもしれない。
「とりあえずやりますか、、、」
とりあえず床に散らかっている書類を拾う
1部よく分からない言語で書かれている
少なくとも近辺の言語では無さそうな気がする
なんとなくだけど
ってかガチの本部がヨーロッパみたいなこと前に言ってたしそっちの方の言語なのかもしれない
凸さん読めるんだ
これ
なんか意外
ーーーー
何とか床周りは片付いて机の片付けの方に入る
はぁ、、、、
むしろこんなに散らかせるの才能だろ、、、、
整えようとしたその時だった
ある1枚の書類が目に入った。
お母さんの写真
一応あいつの説明的にはお母さんも、お父さんも構成員だった
情報のひとつや2つぐらい残っててもおかしくない
けどこんな見えるところに置くだろうか
しかも私がいるのに
分からない、、、けど言語が違うから分からないけど情報を抹消しようとしてるのかもしれない
だとしたら、、、
殺さないと、、、
今まで確定してなかっただけでこの組織がやった可能性は充分にある
ふと冷静に部屋を見渡すと空きっぱなしの棚が見えた。
窓からは光が差していて、一部が反射して輝いている
ふとその場所が気になった。
何となく引き寄せられるように棚の方に近づく
なんだろう、、、、
恐る恐る棚の中を見てみると赤い布地の上にナイフが置かれていた
保存状態は良いようだった
ふと握ってみると手に馴染んだ気がした
というか懐かしい
そういえば私が元々持ってたナイフ取り上げられてたんだっけ。
、、、、
これがあればあいつを殺せる
ナイフなら扱い方は既に体に刻まれている
ずっとナイフだけを忍ばせて部屋を後にするのだった
ーーーー
次の日のことだった
どうやって昨日の夜凸さんと過ごしたのかはあまりよく覚えていない
多分特に何もないし、うまくやり過ごしたんだと思う
わからないけど
「よく飽きないよね。そんな毎日書物あさって」
「だってもしかしたら資料があるかもしれないし……」
「その理由だけでそんだけ調べられんのはもはや才能でしょ」
「そう?」
そう言いながら資料に目を戻す
どの書類も書いてあるものは変わらない。
お母さんとお父さんがなくなったとしか書かれていない
正確に言えば具体的な詳細が書かれていた。
死亡推定時刻、死因その他諸々
一応書類には黒塗りしてあるような箇所はないし、そもそもあったとしても大本のデータの方の時点で削除されているのかもしれない。
だとしたら私は……
書類のデータを探さないといけない…?
私にできるのか……?
いや…やらないとだめなんだ!
こんなところで弱気になってちゃあいつを殺せない…
「ななっし〜?ななっし〜??聞いてるの!!」
「えっあっごめん」
「凸さん呼んでるよ!!」
「えっ?」
「早く行ってきなよ」
「う、うん」
どうしよう
ナイフ取ったことバレてるかな
ーー
「ななっし〜いらっしゃ〜い」
「急に呼びつけてなに?」
「も〜そんなに怒んないでよ〜」
とりあえずいつものようにヘラヘラしている
「いや〜俺仕事だからこのあとニグくんのところにアレ受け取りに言ってほしくて〜」
「はぁ?そんなのさもくんに頼めば良いでしょ?私は私で忙しいんだけど?」
「だってさもさん今日は仕事で1日いないしべるちゃんももうそろそろお仕事の時間だからななっし〜しか暇なのいないんだもん」
「じゃあ明日でいいじゃん…?」
「ニグくんところ割と警備ゆる〜いからずっとあっちに置いとくのも心もとなくない?」
「そんなん警備雑にしてるほうが悪いでしょ……」
「まぁまぁ!じゃあななっし〜行ってらっしゃい!」
「ああもう!わかったから!!!」
そう言って半ば強制的にニグさんの方に行かせられる
何となくいつも通ってる路地はいっそう人気がないように感じた。
ーーーーー
「あっ!ななっし〜さんじゃん。受け取り?」
「うん」
「そっか。重いから俺も手伝うよ。女の子にこんな重いのも持たせるの気が引けるし」
「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!」
そう言って小さめの段ボールが渡される
……
十分重くない?
これニグさんが持ってる大きいのってどれくらい重いの……?
ぼーっと特になにか話すわけでもなく二人で歩く。
頭の中でぐるぐる回ってるのは、この組織のこと。
ニグさんやべるさんたちのこと
凸さんのこと。
お母さんの書類のこと。
全部全部わからない
わからないけど…
自分でどうにかしないといけない
殺さないと…
凸さんを殺すか突き止めないと…
お母さんたちの敵を取らなきゃ…
もし事故を起こした原因がこの組織なら凸さんを殺せば終わる。
だから殺さないと…
殺せる、、、のかな?
ーー
とりあえずアレの搬入が終わって手持ち時間となった
しばらく触ってなかった相棒を少し振り回してみる。
あいつは本当に仕事だったっぽくて今は不在である
深夜帯まで帰ってこない
…今なら殺せる
確実に。
試しに部屋の中で動いてみたけれど、ずっと使ってたからか、多少期間が空いても腕は鈍っていなかった。
いける
殺せる
そう思って夜に備えて眠るのだった。
ーーーー
すごく温かな雰囲気だった
ふわふわとしたベッド
温かな日差しが差し込んでいる
「ななっし〜。もう朝よ〜」
そう言って柔らかな声が部屋に響いた
懐かしい
あたりを見渡すと、かつての自分の部屋だった
家族みんなで過ごしていたときの。
お母さんはこの後仕事なのか、せわしなく動いている。
リビングに行くと仕事に出る前のお父さんがいた
急いでネクタイを結んでいる
「じゃあこれ食べちゃってね!お母さんたち行ってくるわよ!」
「うん!」
そう言って玄関まで見送る
とりあえずぱっと着替えて、私も着替えて家を出る。
家をいつもより早く出たからゆっくり目に登校する。
朝のひんやりとした空気が体にまとわりついて気持ち悪い
なんでだろう?
どこか遠くのほうからドンっと大きな音が響く
なんとなく吸い寄せられるように近づいていく
爆発して破損した車
燃え上がるその周囲
たかっている人々
遠くから聞こえてくるサイレンの音
すべてすべて気持ち悪い
動けない
助けて…助けて助けて助けて
まるで金縛りにあったかのように動けない
救急車は到着したのか、現場付近にタンカーが近づいている
そこから見えたのは変わり果てたお母様の姿だった。
虚ろんでいる目がぼんやりと私を捉えている
い…いや!!!
ーーーー
じめっとした空気が私の体を包んでいた。
何度見ただろう
この夢を
時間軸、行動
多少なりとも変わっていても結末は変わらない。
いつも二人が事故にまきこまれる
その後は必ず元凶は仕留めろと警鐘が響いている
自分の部屋に唯一ついている窓をそっと見ていると、夜だった
その後時計を見る
時刻は午前一時だった
丁度いいだろう…
あいつの部屋をみる。
そうすると少しだけ扉が空いていた
つまり帰ってきて寝ているということだ
…好都合だ
そっと部屋に入り込む
寝ているこいつに乗り上げて胸元にナイフを刺そうとした
…
できない
なんで
なんでなんでなんでなんでなんで
なんでできないの?
おかしい…
私は…
私は私は…
その時だった
ガシッと腕を掴まれる
「大人しく寝てると思ったらこんなことするんだ〜」
そう言って殺されかけている凸さんはニヤニヤと私のことを見てくる
そのまま掴んでいた腕をぐっと引っ張って凸さんの方に身を寄せられる
「殺し方わかる?ここやれば大量出血で一発だけど?ってか俺教えたよね?」
そう言ってつっーと指をなぞる
「殺したいんでしょ?俺のこと」
「ころ……したい……殺したいけど…私は…私は凸さんのこと殺せない…わかんない…わかんないけど…殺せない」
ふとこの前片付けようとしてそのままにしたお母さんの資料が目に入る。
大好きで、その優しい目。
私を射抜いてきそうだった。
「殺せないの……」
そう言うと凸さんはナイフを私の腕から引き剥がしてそっと私の頭を撫でるのだった
ーーーー
…なんか手元ゴツゴツする……
眠い目を擦る…
…凸さんがいる…
昨日殺せなくて…
………
…………
………………………!
な、なんでこいつと一緒にねてんの!!!!
「ななっし〜じゃんおはよ」
「な、なんでそんなに平然としてんの!?」
「そう?だってあのあとすぐ寝落ちしたから起こさないほうがいいと思って……」
殺せなかった………………………
私は…殺せなかった…
「まぁななっし〜」
そう言って私と向き合ってくる
「少し…話そっか」
「うん」
私…殺されるのかな…………
また路上生活?
ーーー
「うーーんと、、、逆にななっし〜聞きたいこととかある?」
「、、、、、だれ」
「な、何が?」
「あの事故の犯人は誰、、?」
「あぁそれな、、、」
そう言って少し凸さんが言い淀む
言葉を選んでいるようだった
「とりあえず確定してるのは、うちの組織ではない。」
「じゃ、じゃなんで犯人はわかってないの」
「それがまだ特定できてないからだ、なんとなくの検討はあるけども」
「、、、凸さんの部屋に置いてあったお母さんの資料は何?」
一瞬
凸さんの顔が強ばる
なんとなく直感で聞いちゃいけなかったと分かる
けど聞きたいことある?って聞いたのあっちだし。
「、、それは事件とは関係ない、、、。だから、、」
そう言って一旦話が止まる。
「また、、、今度でもいいか?」
これ以上はさぐれない。
しょうがないか
「わかった。いつかは教えてくれるんでしょ?」
「約束する。」
そう力強く言われた。
まぁ信用するか。
今のところ、こいつが嘘をついていそうな様子は無い。
「あの事件がこの組織が関係ないのも、お母さんの書類が関係ないのも全部信じていいんだよね?」
「あぁ。」
「わかった。信じるよ。」
「事件の詳細が知りたいならニグくんに聞けばいい。アイツの方が俺より知ってる。一応情報屋だし。」
「わかった。、、、、、もし」
もし事件の犯人が、、、
「もし事件に関わるようなことがわかる仕事があるなら、、、」
「やらせて欲しい」
ーーーーー