あの日から、しょっぴーへの絡みを付き合う前くらいに、いや、それよりちょっと多めに増やした
特にメンバー以外のスタッフさんなどにも、目につくような場面は意識的に
しょっぴーは、ちょっと鬱陶しがるけど、振り払おうとする力がいつもより弱い
メンバーしかいない場面では、あからさまに抱きつきに行ったりはしないけど、なるべく隣にいるようにした
あの日以来、2人きりになった時に時折見せるようになった不安そうな表情も、そうしていくうちに徐々に減っていった
ある日の休憩中、しょっぴーが最近入ったばかりのスタッフさんと話してるのを見かけて近づく
『最近また向井さんと距離近いんですね』
「そうですかねー」
『よかったですね。見放されなくて』
「っ!………えー、なんのことですか?」
(あー、こいつか)
「しょっぴー!ここにおったん!探したで」
「うわっ!びっくりした」
後ろからしょっぴーに思い切り抱きつく
スタッフさんと一瞬目があったが無視する
「しょっぴーおらんと寂しいやんか〜」
「あーもう、離せって!」
「えぇ〜!そんなん言って、ほんとは嬉しいくせに〜!」
「もぅ〜!!」
いないかのように振る舞われたのにムッとしたように、スタッフさんに話しかけられる
『ほんと仲良いですよねー!お2人』
「そうなんですよー!僕しょっぴーのこと大好きなんで!」
「もぅ〜、いいってば」
「なんでやの、大事なことやんか!」
『向井さん凄いですよね、俺だったらこんなに冷たくされたら嫌になっちゃいます笑』
わざとらしくしょっぴーの方に向かって吐かれた言葉に、腕の中で身が強張ったのを感じる
より強く抱きしめて宥めるようにさすりながら、言葉を返す
「え?!もしかして知らないんですか?こう見えてしょっぴー、ちゃ〜んと優しいし、可愛ええところも、たっくさんあるんですよ」
「ちょっ、こーじ!」
「あ、でも分からへんくっても仕方ないか。仲良うなった人にしか見せてもらわれへん特権やもんな〜。メンバーとか、仲良いスタッフさんなら、みーんな知ってることなんですけど」
口だけで笑ってジッと目を合わせれば、スタッフさんの笑顔が引き攣るのがわかる
『へ、へぇー、そうなんですね。僕まだ日が浅くて…』
「せやから大丈夫ですよ。ご心配どうも」
『そうなんですね!失礼しました。あ、僕ちょっと向こうで作業があるんで、じゃあ』
走り去っていくのを見送っていると、腕の中に収まっていたしょっぴーが顔をこちらに向けた
「こーじ」
「うん?どしたん?」
「……よかったの?あんなこと言って」
「何が?」
「だって!……こーじの印象悪くなるかもしれないのに」
「大丈夫やよ。なんか言われても、周りの歴長いスタッフさんには笑い飛ばされるだけやって」
「でも、、」
「しょっぴーこそ、あんなん気にすることないし、我慢することないで」
「ごめん」
「ごめんを聞きたいんやないんよ?」
「………ん、ありがと、こーじ」
「おん。またあんなんあったら、ちゃんと言うてーや?不安になっても怒ったりせんから」
「わかった」
よしよしと頭を撫でて、肩を組んで歩き出す
「じゃ、もう向こう行こ」
「うん」
仕事場だし振り解かれると思った腕はそのままで、2人並んで歩いて楽屋に戻った
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