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「なんで…!意味分かんない!立香はあんなに頑張って、顔も知らない他人の為に命を削ってたのに!今度こそ報われるべきなのに!なんで!なんでなの…あの人は立香のことを亡くなったお兄さんの代わりにさせようとしているの…?」

彼女は代わり、予備。なんで立香が、なんで なぜ?

「ありがとう、ごめんねアルトリア。きっとそうなんだろうね、ずっと目を背けてた。実の娘だからって勝手にいいように解釈をしてた。でも、もういいや。」

その言葉を聞いて少し安心した。これで立香はあの母親から逃げられる。私はそう解釈した。

「代わりになんかなってやんない。ありがとう、アルトリア。貴女が言葉にしてくれたおかげで目が覚めた。どうせ春はない身、凍えるような冬の中を生きるくらいなら、私は私のまま、死んでやる」

そんな言葉を聞いて、私は頭で考えるより先に行動していた。

ベットの上にいる立香を押し倒して馬乗りになりながら言い放った。

「なんで!?なんでまた貴女が犠牲になるんですか!?春が欲しいなら私が、なら私が立香の春になります!!それならいいでしょう?!あの母親と父親を警察に突き出して、自由になった貴女とまた、笑い合って…なんでもない話をして…う…ぐすっゔゔん…やめてよ、一緒に居たいよ…いかないでよ…」

駄目だな、涙が溢れ出した。顔をぐしゃぐしゃにして、子供のようにしゃくりを上げながら泣いている。一滴、また一滴と彼女の頬に私の涙が零れ落ちた。

「アルトリアは優しいね…でも」

そんな言葉の続きを私が遮った。

唇が重なる。僅かに彼女が喘いだ。

「これが私の覚悟。私をここまで惚れさせた責任、ちゃんととってよ。」

私にできることはもう全てした。後は彼女次第。

「なんで…そこまでしてくれるの…?」

当たり前だ

「さっき言ったじゃない。私があなたの春になるって」

それを聞いた彼女は少し頬を赤く染め、私の首に手を持ってきて、自分に引き寄せた。そして

「…ん」

同じようにまた、唇を重ねた。

「これが私の返事。ありがとう、アルトリア」

彼女の笑顔は春を連想させた。季節は冬だってのに私の心はずっと桜の花が咲いていた。



一一その後の物語

警察が立香の母親の身元を引き取りにきて、立香は一人暮らしか施設生活の選択を迫られた。彼女は彼女の父親が毎月養育費を送ってくれるから、と言って一人暮らしを始めた。今までとは違う生活、でも今までと変わらない生活。混乱することもあるだろうが、彼女達は彼女達のやり方で行きていくのだろう。彼女が記憶を取り戻し、3人が本当の意味で再開するのは、また後のお話。

少年少女の物語はまだまだ続く、3人の旅路に幸多からんことを。




一一一一

今回、久々の投稿のくせに短くてすみません

ついでにオベ要素も薄くてすみません

ついでにまだ続きます すみません(?)

希望いだく楽園の星と忘却の春宵

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