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雨の音が、古びた廊下に静かに響いていた。
鉄格子の向こうから漂う冷たい空気に、こさめは思わず肩をすくめる。
🦈「……うぅ、さむ……」
小さく呟いて、自分の制服の袖をぎゅっと掴んだ。
今日が初日だった。
新人看守として配属されたばかりのこさめは、
まだこの場所の空気に慣れない。
薄暗い通路。
無機質な壁。
響く足音。
誰も笑わない世界。
その中で、こさめだけが場違いみたいにきょろきょろしていた。
「こさめくん」
先輩看守に呼ばれ、びくっと背筋を伸ばす。
🦈「は、はいっ!」
「今日から君が担当する死刑囚だ」
その言葉に、胸がどくりと鳴った。
死刑囚。
新人の自分が、そんな重い役目を任されるなんて思っていなかった。
ちょうど先輩看守たちが、囚人たちに殴られたりして
人が足りなかったらしい
先輩は慣れた手つきで扉を開ける。
重い鉄の音。
その瞬間、こさめは息を呑んだ。
部屋の奥、薄い毛布を肩に掛けた男が、静かにこちらを見ていた。
優しそうな目だった。
死刑囚、という言葉から想像していた姿とはあまりにも違う。
もっと怖くて、もっと鋭くて、近づいただけで震えてしまうような人だと思っていた。
けれどその男は、ふわりと笑った。
「……新人さん?」
穏やかな声。
こさめは数秒遅れて、慌てて頭を下げた。
🦈「え、あ、はいっ! こさめです!」
「そっかぁ。よろしくね」
よろしくね。
そんな普通の挨拶を、この場所で聞くと思わなかった。
こさめは戸惑いながら男を見る。
年齢は二十代くらいだろうか。
柔らかな髪に、眠たげな瞳。
まるでどこにでもいる優しい青年みたいだった。
でも、この人は。
ここにいる。
“死刑囚”として。
🍵「俺はすち」
男は静かに名乗った。
🍵「短い間だけど、仲良くしてくれると嬉しいな」
短い間。
その意味を理解した瞬間、こさめの喉が詰まる。
ここにいる人たちは、いつか“いなくなる”。
それが、この場所の決まりだった。
🦈「……なんで」
気づけば、口から零れていた。
🦈「なんで、ここにいるの……?」
先輩看守が「こさめくん」と低い声で制止する。
けれど、すちは怒らなかった。
少しだけ困ったように笑って、視線を窓のない壁へ向ける。
🍵「秘密」
🦈「えぇ……」
🍵「ごめんね」
ふわっと笑うその顔が、どうしてか寂しそうに見えた。
こさめは胸の奥がちくりと痛む。
この人は、本当に悪い人なんだろうか。
それとも——。
「こさめくん、行くぞ」
先輩に肩を叩かれ、はっとする。
🦈「あ、はい……」
部屋を出る直前、こさめはもう一度だけ振り返った。
すちは鉄格子の向こうで静かに手を振っていた。
まるで、普通の友達みたいに。
その瞬間。
こさめはまだ知らなかった。
この出会いが、自分の人生を壊れるほど変えてしまうことを。
こさめ
新人看守。
すち
死刑囚
本来死刑囚を一人で担当持つことはないですが、
まぁ‥一人で持つほうが都合がいいので((
許して
あの、一応大体の死刑囚とか、そういうのとか調べて書いてるんですけど
都合が‥悪かったりした時、現実とは違う事になってるので
そこのとこだけ、はい
あ、新作また書きたかったの
でも安心して(?)この話も完結まですでに書いてるから✨️