テラーノベル
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小鳥のさえずりのような歌声。
歌姫のような歌声。
天使のような歌声。
大天使のような歌声。
天女のような歌声。
女神のような歌声。
この世の者とは思えないような美しい声。
人を魅了する魅惑の声。
次第に毒になる歌声。
これで十分だろう?
さぁ、最高の褒め言葉なら言い尽くしたぞ。
…いい加減着替えろ。
着替えなければならないというのに。
完全に聴かれていることに恥ずかしげもなく、
歌い続ける妹に向かって。
扉の向こうに向かって、。
今一度、呼び掛ける。
…毒のくだりは、要らなかったかなあ。
呑気に、そう返してきやがる。
おい、文句言うな。もう歌わせねえぞ、早く着替えろ。
はあ、うるさいなあもう…
こっちは、その言葉すらも聞き飽きたんだ。
あのな。俺はお前に昼飯食わせなきゃならねえんだよ。。……今何時だと思ってんだ、。
2時ーー。
早く着替えてさっさと出てこい!
はーいはい、もう入って来ちゃいなよー。?
乗るわけねえだろ。ドア1ミリでも開けた瞬間、鬼になるくせに。
神話やら昔話やらに存在しないことを願うが、
化ける鬼とは正にコイツのことである。。
…諦めてんのー? 兄妹ならどうにもならないって。
やはり、たまに鋭い奴だ。
…んなわけねえだろ。ボケ、。
……もっとユルめのお母さんだったら良かったのにねー。
…本当にな。
兄妹だからといって。
別に、諦める必要は無いというのに。
監視官の名にふさわしすぎる義母によって、
…お互い、【付き合いたい】と言えないでいる。
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