ぎゃうるふの場合
「赤城きゅん!この肉めちゃ美味いやん!」
賑やかな店内にて、少し掠れた声が聞こえる。
ここは焼肉店。たまたま合同任務帰りでみんなで寄ったのだ。
そして現在の配分は
赤城▶焼く
叢雲、星導▶選ぶ
緋八、伊波▶注文
宇佐美、佐伯▶消費
小柳▶待機
である。各々が嬉しそうに食べる姿を見て、赤城は楽しそうに
肉を焼き続ける。それを密かに見つめるのは小柳。
ツンデレで恥ずかしがり屋な彼は”手伝おうか”の一言すらも
言えないのだ。そうして何も言い出せず1時間2時間と
経過した。そろそろ、と赤城が箸やトングを置いた時と
同時に小柳も箸をもって、食べはじめる。
それを赤城はちらっと見て”もしかして”と思った。
そして、食べ終わり、皆が外へでて様々な話をする。
次の仕事の話、打ち合わせや会議、案件にコラボなど。
しかし、赤城と小柳は2人並ぶとこれから、のことではなか
先程、の話をし始める。話題は赤城からだった。
「ねぇ、さっき一緒に食べ始めたけどさ、もしかして
僕と一緒に食べるために待ってたの?」
と夏のぬるい風に吹かれながら柔らかく尋ねる。
小柳はそれに一瞬同様した後、ふいとそっぽを向いて耳と首を
赤くしながら、「悪いかよ」と吐き捨てる。
予想外の反応に赤城は一瞬戸惑い、「へ、」と間抜けな声を
漏らしたが、それを隠すかのように赤い顔で
「も、もぉ〜可愛いやつだな〜!」と、弄る。しかし、
顔は明らかに赤く、耳も首もすべて赤い。照れている。
言い逃れが出来ないほどに照れている。それを目に止めた小柳は
はっはっ〜ん?と意地悪にニヤッと笑うと、先程とは変わり
今度は赤城がからかわれ始めた。
「え〜?可愛いでちゅねー?うぇんきゅーん」と
それはまぁ、めちゃめちゃにうざく。それがあまりにも嫌で
恥ずかしさでパンクしそうになり、咄嗟に赤城は
「ろうきゅんのバカーーー!!!」と大声で叫び始めた。
そしてそのまま
「もぅ!ろうきゅんのことなんか知らない知らない!
知らないもん!勝手に野垂れ死んでればいいんだ! 」
と続ける。その叫びに若干きゅん、としたが気のせいだと言い
小柳は半ば呆れた様子で「ろうきゅん言うな」と
お馴染みの返事をした後、「そもそもてめぇが」という
文句を言い始めた。それを遮るかのように赤城は
「ろうきゅんの人たらし!」と声を上げた。さすがに
人の話を聞かなすぎて小柳は赤城にキスをする。
「んむッ……!」とくぐもった声が聞こえるが気にしない。
何度も角度を変えて繰り返す。皆が居るのも気にせず、何度も。
やっと2人が離れた時には再び信号が赤になっていた時だった。
そして星導はニヤニヤとしながら「お熱いね〜!」と揶揄う。
それを鬱陶しく思いながらぐったりとしてしまった赤城を
抱きしめると、軽くお姫様抱っこする。それを見て
「小柳くんニキにぞっこんじゃないですか!」と星導は声を上げた。
それからもずっとみんなに揶揄われながら家へと帰った。
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
きゅんぶろの場合
「カゲツきゅん、これとかどお?」
可愛らしい宝石がキラキラと輝く店内。赤城は明るい声で
叢雲に声をかける。まず2人がここに来ることになった事の発端は
星導と緋八の一言だった。2人とも公認で付き合っており、それは
全員が認知していることだった。それゆえ、2人は気になって
いたのだ。「何かお揃いのものはあるのか」と。2人はよく
一緒にいるが、これといってお揃いのものを身につけない。
だからこそ、2人は気になっていた。いや、2人以前に他の
メンバーも気になっていた。だがそれを聞くのは野暮かと
わざと聞かなかったのだが、その全員の気遣いを2人はぶっ壊し
聞いてしまった。そして、2人は少々考えた後、「ない」と答えた。
そしてその回答にさすがに、と思った全員は2人にお揃いの
ものを買うことを命令したのだ。そして、2人は長考した後、
付き合ってるならアクセもあり という結論に行きつき、ここに来た。
そして現在。赤城は いくつかの可愛らしいアクセを持ち叢雲に
見せる。叢雲は その中から厳選し、さらに出てくる候補を
削ぎ落としていく。そして、最後に残ったアクセを買った。 赤城はそれを嬉しそうに見つめる。
その横では叢雲が大事そうにそれを抱えた。
そしてお互い見合うと、へら、と幸せそうに笑う。
叢雲よりも少し 背の高い赤城は叢雲を可愛がる。そこまで
差はないのに。理由を聞いても「なんだか可愛いから」の
一点張りだった。しかし当然叢雲にも赤城は可愛く見える。
逆にいつも楽しそうに元気100%の笑顔を向けてくる
自分の恋人を 愛おしく思わない人はいるのか。もちろん
段階はまだそこまで行っていない。どっちが上をやるのかすらも
分からないし、そもそも必ずやらなければいけないものでも
ない。ただ、相手が望むならやってあげたいのだ。
なんて、そんなにことを考えていると赤城が「かげつきゅん」と
呼んできた。それに少し驚きながらも「なんや赤城きゅん」と
返す。すると少ししてから
「今赤信号だし、ネックレス、つけない?」
と提案された。少し愛おしさで胸が締め付けられるのを覚える。
しかし、そんなことは気にせず、純度100%の笑顔で
「おん!ええで!」と元気に返す。その笑顔に思わず心臓を
撃ち抜かれながら赤城はネックレスを渡すと前に立つ。
そして、「ん、つけて?」と優しく尋ねてきた。その可愛さと
いっぽさに胸が焼かれながらも、叢雲はネックレスを付ける。
そのネックレスは星と猫でくっつけると完成する、星は叢雲で
赤城は猫を貰った。そしてつけ終わると今度は交代し、
カゲツは、髪を少しあげて、「お願いしてもええ?」と
聞いてくる。それを可愛げに見つめがら
「ちょっとごめんね〜」と腕を通し、ネックレスを付ける。
そしてお互いにぶら下がるネックレスを見て、嬉しそうに
笑うと、「じゃーん」と赤城が2人の星と猫をくっつける。
楽しそうに嬉しそうに笑う赤城が叢雲にはあまりにも可愛く
映っていた。そうして、拠点に帰ると2人を待っていた
男達がやっとか!と湧いてよってくる。そしてお揃いのものをみて
全員、ひゅー!と冷やかすのであった。そしてそれは
今後一生の恋人との素敵な思い出になるのだった。
コメント
1件
まじで🍱🦖が愛されてるの大好きなのでめちゃ嬉しいです!!