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「彗さん…。」
「大丈夫だ。疾風も運ばれてくるだろうから、そしたら疾風の回復を先にしてやれ。」
「はい!」
ちょうどいいところで疾風が佑由の所に運ばれてきた。早速、佑由は回復を初め、彗は戦闘準備にかかった。
「あれ、彗って華国の代表者様よね?あなたの強さ、大したことないって聞いたのよね。」
阿南が自分の刀を彗に向ける。
「うーん。まぁ確かに大したことないのかも?わかんねぇけど、多分お前より全然強いよ。多分すぐ終わっちゃう。早く片付けて、周りにいる隠れてるつもりで隠れられてない人達も退治しなきゃいけないからさ。早く終わらせようよ。」
そう言いながら、彗は軽くピョンッと跳び、阿南が持っている刀にチョンっと足をつき、宙に舞った。
「は…?」
阿南が不思議に思いながら、後ろを振り返ろうとした。すると、彗は、銃を真似するような手を作り阿南に向けていた。
「ばんっ」
その瞬間、彗の指先からすごい速さの稲妻が走り、阿南に向かって走っていった。
「っ?!?!」
阿南に直撃し、ビリビリし始めた。
「それ、麻痺はしばらく取れないと思う。俺の雷食らうと、大体の人は回復薬がないと半日以上は取れないから。」
「くっそ…!!!」
彗は阿南に背を向け、佑由の方に向かった。
「佑由、疾風は大丈夫そう?」
「まぁ、なんとか大丈夫そうです。麻痺の力が弱くて良かったです。」
「そっか。俺、阿須のところに行ってくる。何かあったら、でっかい声で誰か呼べ。」
佑由がコクリと頷いたのを確認して、彗はその場から去っていった。
「伊吹、お前、何か能力使えるか?」
「はい、基礎的なのは大体は。」
「ちょっとこいつの相手、お前がしてくれないか。俺は阿須のところに行って、阿須の能力をとめなくちゃいけない。」
「分かりました。」
出雲は伊吹に伝えた後、阿須の方へ向かった。伊吹は那々斗の方へ向き、那々斗は余裕そうな笑みを浮かべた。
「剣士1人になったか。すぐ終わりそうだな。」
那々斗は自分の手から稲妻を出し、伊吹に向かって飛ばした。
「さぁ、どうでしょうか。私は剣士ですが、能力だって使えます。」
伊吹は丁寧に言いながら、手から水を出し、稲妻を飲み込むように水源を作った。
「何?!」
「だから、どうでしょうと伝えたでしょう?あなたの事など、すぐ終わります。」
伊吹は先程の出雲と同じようなしゃぼん玉のようなものを作った。
「泡玉」
そう言い、伊吹が作った水玉で那々斗を飲み込んだ。酸素も少なく、外からも中からも割れないので那々斗はどうにも出来ない。
「なんで…、」
「しばらくそこに居てください。辛くなったらもがき苦しんでください。仕方が無いので私が出してあげましょう。」
「くっそ、やろうがよぉ…、」
伊吹は、泡の中に入った那々斗を後ろに浮かせながら佑由達がいるところへ向かっていった。
「阿須ー!!!」
「彗、何も感じないのか?」
「うん、まだ何も。距離があるのかも。」
彗と出雲が合流し、阿須を探し始める。
彗と出雲が走りながら、周りの様子を見ていると、遠くから大きな爆発音が聞こえた。彗と出雲はその爆発音に反応し、煙が巻き起こっている方向へと向かった。
「彗、阿須の能力は感じるか?」
「うん、感じるよ。こっちだ。行こう。」
続