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是非コメントください
「…その瞳、まさか……」
そう言って王宮の使者が声を震わせたとき、オリアナは手に持っていたパン籠を落としそうになった。
彼女の瞳は、まるで翡翠を閉じ込めたような輝きを宿していた。
それはこの王国に伝わる“聖女の証“_選ばれし者だけが持つ宝石の瞳だった。
「まさか、私が……?」
オリアナ・シルビィ、17歳。郊外の小さな村で育ったパン屋の娘。いつもよく笑って、よく食べて、時々夢を見た。
だけど彼女の瞳だけは、ずっと周囲から“変わり者”と囁かれていた_。
しかし今、王都の使者が跪いている。
そしてその口から信じられない言葉が告げられた。
「貴方には、“第一王子の妃候補”として、城へお越しいただきます。」