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ここで定期的に催される既婚者合コンに来る人たちがどんな人なのかも、私は知らない。
その時間帯は、カウンター席が使えないようにパーティションが立てられるので店内が見えないのだ。
でもマスターと奥さんが、時々耳にしたことを話しているのを聞くことはあった。
「レス夫婦が多いのかね…30代40代夫婦って」
「毎回誰かがレスの悩みは口にしているわよね」
「それって…ここで話して、どうするんですか?」
帰る直前、エプロンを外しながら私が聞いてみると
「レス解消方法案を出し合ったりしているみたいよ?」
「そうだね。こうやって相手をその気にさせる、っていうテクニックを伝授したりね。まあ、愛され妻の直美ちゃんには無縁だろうけど」
とニコニコ見送られた…
限度や適度って言葉があるでしょ?
………って、誰にも言えない………
亜優を無視することも、育児放棄で虐待だと、私は亜優が赤ちゃんの時にそこまで夫に訴えた。
だから亜優にも最低限、優しいパパでいる夫。
もしかしたら、それがストレスで私を毎晩抱くのだとしたら…カラダはきつくても、それは私が受け止めるしかない……という考えに至っている。
空気のように扱われる妻より、愛され妻のほうが幸せだと、自分に言い聞かせながら。
でも自分の中で、その限界が近づいていることも感じていた。