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翌日の夕方。
業務を終えたバックオフィスで、美咲が律に声をかけてきた。
「藤井くん……少し、いい?」
律はわずかに息を呑み、頷いた。
部屋には二人だけ。窓の外は夕焼けが差し込み、淡い橙色が広がっていた。
「この前のこと……返事、聞かせてもらえる?」
美咲はまっすぐに律を見つめ、静かに問いかけた。
律の胸に、昨日の琴音の言葉がよみがえる。
――自分の心から目を逸らさないこと。
律は深く息を吸い、ゆっくりと口を開いた。
「……美咲さん、俺……」