テラーノベル
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「そろそろ規則正しい生活するか….」
「そうですね….」
日の出とともに襲う暑さで目覚めた2人.
お盆休み前半は,飲み歩いたり夜更かししたり羽を伸ばし放題.休み明けの仕事に備え,後半は生活リズムを整えることに.
「これ以上暑くなる前に出かけるか.」
「はい.」
薄化粧で出かけるは,近所の商店街.
「おっきいすいか.メロンも美味しそう…!!2つ買ってもいいですか??」
「いいよ.」
「やった!!」
と青果店ですいかとメロン同時に贅沢買い.
「帰ったらどこで冷やしましょうか….」
「あれはどうだ,ビニールプール.」
「良いですね!!」
両手いっぱいに買い物して帰宅すれば,和気あいあいと作業にかかる.
「杢太郎さーん.お昼できました.」
ベランダですいかの冷え具合を見ている菊田に🌸は声をかける.
「すいか,どんな感じですか??」
「だいぶ冷えてるよ.」
「氷足さなくてもいけそうですか??」
「うん.」
「了解です.」
「メロンは明日まで置いとけそうか??」
「はい.朝ごはんにでもどうです??」
「いいね.贅沢な朝ごはんになるな.」
「ですね.」
昼食に後片付けを済ませて.
「俺が切ろうか??」
「お願いします.杢太郎さんの方が切るの上手だから.」
とすいかを食べるのを今か今かと待ちかねる🌸.
「涼しい部屋でテレビ観ながら食べるすいかは各部屋ですね.」
「そうだな.昔は扇風機1つで縁側で食べてたのに,今の暑さときたら.」
「分かります.今朝の最低気温が,私が小さかった頃の最高気温ですから.扇風機だけで日中過ごせてたのが今じゃ考えられないです.」
1/8を手にもってかぶりつく菊田と,お皿にのせてフォークで種を取りながら食べる🌸.
「テレビでよくやるあの食べ方,できます??」
「昔挑戦してみたけど無理だった.なんかあれ,それように上手く切ってるらしいぞ.」
「そうなんですね.でも一応やってみたんだ.かわいいところあるじゃないですか.」
「あそこまで早く食べれなかったな.種が気になって.」
「やっぱりあれは芸人魂の塊の技なんですね」
結局,2人で半分をたいらげてしまった.
「小さい頃はメロンもすいか嫌いだったけど,味覚が変わったのかな.今じゃ無性に食べたくなるし,杢太郎さんと食べるのが嬉しくて仕方ないです.」
「大人になったなぁ.俺も嬉しいよ好きなものを好きな人と一緒に食べれて.」
“照れますな”と🌸は菊田に寄りかかる.しばらくテレビに映る,酷暑の中白球を追いかける球児たちを見つめる.
「仕事行きたくねぇなー.」
「ですね….」
ぽつりと呟いてうたた寝モードに突入する2人.
早くも仕事への愚痴がこぼれるお盆休み後半戦は,お酒も夜更かしもほどほどに.
それでも週明けは行きたくないモード全開で,お互いげっそり顔で出社したのであった.
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