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今回少しだけ重めのお話となってしまいますが…見てくれれば幸いです。しかも文章構成クソオブクソだし。

それではどぞ!




死んで、転生して、またこの天羽組に戻ってきてからずっと思っていることがあった。

自分の不注意で勝手に死んで、勝手に迷惑かけて、挙句の果てに女になって力もなくなって。鉄火場には中々出させてくれないし、出たとしても兄貴たちの足を引っ張ってしまうだろうし。…迷惑しかかけていないような気がする。

変わらずに出来ることといえば事務作業くらいだ。でも極道であるならば、街を守るならば、最低限の戦闘力は必須条件。

小峠「(俺、いてもいなくても変わらないよなぁ)」

俺はデスクで小さくため息を漏らす。

それを聞いていた小林の兄貴が声をかけてくる。

小林「華太、なんかあったー?」

小峠「っいえ、なんでもないですよ。少し疲れてしまって……休憩してきますね」

小林「……おう」

自分の思いを打ち明けたところでまた迷惑かけちまうだけだしなぁ…なんか知らんけど、心做しか怠いし。

そんなことを思いながら俺は立ち上がって、そそくさと休憩室に移動した。




小林「………兄貴達ィ」

和中「…分かっている。華太が何かよからぬことを考えているのだろう?」

小林「そーでーす」

須永「ん〜……最近ずっとあんな感じだよなァ…俺心配〜………」

野田「しかも体調、ちぃとばかし良くねぇなありゃ。顔色が悪ぃ」

小林「……俺ちょっと見てきまーす」

野田「頼んだ野田」




俺は休憩室にあるソファに深く座って息を吐く。

小峠「…はぁー………」

体が重い。気が滅入っているからだろうか。

さっき事務所を出る時、不自然じゃ無かったかな。兄貴たちに迷惑掛けてないかな。

自然と脳内にそんなことばかりが浮かんでくる。


嫌われたらどうしよう。追い出されたらどうしよう。迷惑ばっかかけて、邪魔だと思われてたらどうしよう。

どんどんマイナス思考になっていく。

そこらの知らない有象無象に思われるならどうって事ない。でも大好きな家族からそんなこと思われてたら?それこそ俺のメンタルをブチ壊すには十分だ。

小峠「………はっ………ふぅ、………ぐ………はぁっ……」


無意識に呼吸が浅くなる。


小峠「……ぁ゛……が、……ひゅっ………、!…?」

気づいた時には手遅れだった。過呼吸と気がつくまでにさほど時間はかからなかった。

あれ、いつもどうやって息してたっけ。

どうやって過呼吸って治すんだっけ。

どうしよう。

俺はパニック状態に陥る。

何とかしないと。こんなとこでぶっ倒れたらまた迷惑が………

頭が回らない。視界がぼやける。自然と涙が出てきた。寒い?熱い?よく分からん。気持ち悪い感覚だ。

無意識に自分の腕を爪で引っ掻く。ガリガリッと嫌な音が頭に響く。

俺は座ったまま動けず、そのまま蹲る。



「華太ぉ」


次の瞬間、優しい声が響くと共に、爪を立てていた腕から痛みが消えた。

小峠「ぇ゛………ひゅっ、………ぁ」

朦朧とする意識の中、俺の視界に入ったのは、血が滲んでいる俺の手を取った小林の兄貴だった。

小林「…あーあ、血出ちまってんじゃん……馬鹿だなぁ。…ま、とりあえず落ち着け」

そう言って小林の兄貴は俺の体を包む。

小林「はい吸って〜………吐いて………ダイジョーブダイジョーブ………吸って…………ん、そう。偉い」

俺は必死に兄貴の服を掴んで、兄貴の言う通りに呼吸する。兄貴が俺の体を圧迫してくれるおかげで、自然と肺も圧迫されて息ができる。

小林「そう、上手。あんま息吸いすぎんなよ〜」

小峠「はー………はー………ケホッ、…」

ある程度俺の呼吸が落ち着いてきた頃、兄貴は俺を抱いたままの体制で俺の額に手を当てる。

小林「華太お前熱あんだろ。知恵熱ってとこかぁ?…お前、無駄なこと考えすぎな。ちっとは相談ぐらいしろぉ」

小峠「………っ……なさ、い…」

小林「んん?」

小峠「……ケホッ、駄目な……舎弟で、ごめん……なさ、い………」

小林「…は?」

俺の意識はそこで闇に落ちた。


小林「………なわけねぇだろうがよ………馬鹿野郎が………」





小峠「………、?」パチッ

目覚めてまず目に入ったのは白い天井だった。

小峠「(仮眠室?俺何して……)」

とりあえず状況を整理する為に、俺が何をしていたのかを思い出してみる。

小峠「(事務作業してて、休憩室に行って……それから…どうなったんだ?駄目だ、思い出せねぇ。でも、誰かが俺に抱きついてたような……気のせいか?)」

休憩室へ行った後の記憶が全くない。まさか休憩室でぶっ倒れたとか?いやいや、そんな訳…

そう思っていると、額にぬるい感覚があるのに気がついた。なんだと思って手を伸ばす。

小峠「(濡れタオル…?ぬるくなっちまってるが、どんだけ時間が経ってんだ?)」

そして伸ばしたこの左手。なぜか知らんがガーゼで保護されている。ペリペリ剥がしてみると、なんかの引っかき跡だった。

小峠「(ますます分からん……何があったんだ?仮に俺がぶっ倒れてたとしても、なんで腕には引っかき傷なんかできる?)」

俺がそう1人で悶々と考えていると、扉が開く音がした。

姐さん「………!起きた?華太」

小峠「姐、さん?」

入っきたのは我らが姐さんだった。

小峠「なんで…」

俺は起き上がろうとするが、姐さんが優しく制止をかける。

姐さん「駄目よ、まだ動いちゃ。すごい熱だったのよ?幸真がここまで運んでくれたんだけどね……熱は下がったみたい。良かったわ」

小峠「小林の兄貴が……?」

姐さん「えぇ。みんな大変だったんだから。華太が死んじゃうって」

小峠「…また死ぬ訳にはいきませんよ……(最悪だ…また迷惑かけちまったのか……)」

また迷惑をかけてしまったと落胆していると、姐さんが俺の頬をがしっと挟んだ。

小峠「!?!?」

姐さん「華太、また迷惑かけたとか思ってるでしょう?」

小峠「ギクッ」

流石の姐さんには俺の考えなどすべてお見通しだったようだ。

姐さん「自己肯定感低すぎるのも大概にしなさい。皆迷惑なんて思っちゃいないわ。ただ華太が心配なだけ」

小峠「ぁ……」

姐さん「怪我して欲しくないから戦いにも出させない。それが光一達の考え。…華太、あなたは自分を犠牲にしすぎなのよ。少しは周りに頼ることも覚えなさい。分かった?」

小峠「は……、ぃ…」

姐さんの圧に押されて、少々無理やり返事をしたが……

姐さん「お願いだからもう無理はしないでね。…あ、あと幸真に構ってあげて。あの子今拗ねてるから」

小峠「わ、かりました」

姐さん「じゃ、また来るわね。今日はまだゆっくりしてなさい」

そして姐さんはさっさと仮眠室を出ていった。



to be continued…


ごめんなさい…長すぎてまた前編後編に分けましたので、後編の方も見てくれると嬉しゅうございます。

それでは次回もお楽しみに!

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