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後編でございます。

遅くなってまじで申し訳なくてすみませんでしたぁん。

それではどぞ!




姐さんが仮眠室から出ていって、俺は暇を持て余していた。

小峠「(仕事したいけど…姐さんにじっとしとけって言われちまったしな…)」

そういえば、小林の兄貴が俺をここまで運んでくれたって言ってたっけ。お礼を言わないと。

でも言おうにも動けない。さてどうしたものか。

そう俺が考えていると、また誰かが扉を開ける音がした。

野田「おう、起きたか」

小峠「野田の兄貴。すみません、俺の仕事終わってないのに…」

入ってきたのは野田の兄貴だった。俺は体を起こして姿勢を正した。

野田「そんなもんは須永に押し付けておいてやったわ。熱は下がったみてぇだな」

小峠「はい、お陰様で…」

野田「お前はまぁた無茶しやがって。他の奴らが見に行くっつってうるさかったから俺が来たが……あんまり心配させんなよな」

そういって野田の兄貴は俺の頭をわしゃわしゃとこねくり回した。

小峠「すみません…迷惑かけて……」

野田「…お前なぁ、姐さんが言っとったこともう忘れたんか。迷惑なんて微塵も思っとらんわ」

小峠「……でも」

俺がそう言うと、野田の兄貴は俺の左頬をぐにっとつまむ。

小峠「んぅ」

野田「でもじゃない野田。お前はもっと俺たちを頼らんかい。それともなんだ?俺たちがそんなに信用出来ねぇってか?」

小峠「っ、!そんなことは…」

野田「じゃあ頼れ。頼れるモンには頼っとけ。別に死ぬわけじゃねぇんだからよ。分かったな?」

小峠「…はい、!」

野田「じゃあ小林ィ、バトンタッチな野田。今日の所は大人しく休んどけよ、華太」

そう言って野田の兄貴は部屋の外に呼びかけ、俺の頭をひとなでして出ていった。


そしてそれと同時に小林の兄貴が入ってきた。

小峠「小林の兄貴、ありがとうござ……………わっ、!」

お礼を最後までいい切る前に、小林の兄貴が俺の肩に頭を押し付けてきた。

小林「ん゛〜………」

そしてそのまま頭をぐりぐりと俺に押し付ける。これじゃまるで猫みたいだ。

小峠「兄貴…?」

小林「…お前は全然駄目じゃないかんな〜…」

小峠「はい?」

なんだいきなり。はいそうですねと肯定する訳では無いが、なぜ小林の兄貴は突然こんなことを言い出したんだ?

小林「単刀直入に聞くけどよぉ、お前こんなになるほど何考えてたんだ?」

そう言って小林の兄貴は俺の傷ついた左手を取る。

小峠「そ、れは…」

小林「……ちゃんと聞くから」

小林の兄貴の少し悲しそうな目に根負けして、俺は喋りだした。

小峠「その……俺、勝手に死んで戻ってきて…それで結局弱くなってて何も出来なくて…カチコミでも迷惑かけちゃうだろうし…それで、力もなくて空龍街も守れないなら、いてもいなくても変わんないのかなって……」

小林「…」

小峠「それで……嫌われちゃってたらどうしようとか、追い出されちゃったらどうしようとか……っ、考えちゃっ……て…ッ、…」

俺が泣きながら自分の本心を話しているあいだ、小林の兄貴は黙って話を聞いてくれていた。

小峠「っ……、ごめん、なさ…い………」

俺は無意識のうちに小林の兄貴の服の裾を掴む。

すると小林の兄貴は、何も言わずに俺をぎゅっと抱きしめた。

小峠「ん゛ぇ」

小林「…華太お前そんなこと考えてたのかぁ?あのなぁ、俺らはお前が生きてさえいればそれでいいわけ。迷惑じゃねぇし、嫌いにもならねぇし、追い出しもしねぇ。駄目な舎弟でもねぇし、逆にいつもお前に助けられてんだよこっちは。言ってること分かるか?」

小峠「ぁ゛ぃ゛………」

小林「だから、そんな事考えんな。お前は大人しく構われとけ」

そう言って小林の兄貴は俺から離れて頭を軽くぽんぽんと叩き、俺の頬を伝う涙を拭った。

小峠「ありがと、ございます…」

俺が改めてお礼を伝えると、小林の兄貴はガバッと立ち上がった。

小林「よーし、風邪治ったな。飲み行くぞ!」

小峠「は、はぁ!?」

そして俺を小脇に抱えて仮眠室を飛び出した。



そして出た先で阿久津と工藤に見つかって、小林がこっぴどく叱られていたのは別のお話。

小峠は小林が叱られている間に、和中達と大福を食べてご満悦だったそうな。






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