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私は俊哉と暮らしていた時の事をふと思った
朝はいつも午前6時に目覚ましが鳴ると、あたしは床に降り立って彼の朝食を作った
献立は前日の寝る前に考え彼を送り出してから、自分のフルタイムのパートの出勤前に朝の家事を済ますために家中バタバタ走り回らないといけなかった
朝の家事を終えた後はフルタイムのパートをこなし、帰りに急いで食料品を買い
部屋を片付け、手の込んだ食事の用意をして、キッチンを何度も汚しそして片づける、お風呂掃除に洗濯物の片づけ・・・
畳んで、しまって、着て、洗ってまた畳んででなおす・・・
日曜日はさらにこれに俊哉の世話と相手が加わった
ときどき3日間ベッドから出ずに推理小説でも読んで過ごしてみたいと思っても
やることが多すぎてダラダラと過ごす事なんて、出来なかった
それに加えて罪悪感というものがいつも存在していた、仕事とパートに追われても彼に肉体的欠陥を言われると太らないようにジムに行かなきゃと思っていたし、彼のためにいつも素敵な晩御飯を用意しなければと思っていた
俊哉はいつも私を服従させたがった
「俺の思い通りにしろ、それができないなら何もするな」
というのが俊哉の哲学だった
あの頃は正社員で働いてもいないのに、いつもヘトヘトだった今思えばよくあんなことやれていたなと思う
でも・・・私はハルがポポを追いかけて、ポポは捕まりたくはないけど距離を取ってハルと遊びたいのかハルから逃げている所を眺めながら思った
柚彦君は・・・どこか今まで出会った男性とはかなり違った
彼のまとう雰囲気がナチュラルなのはわかるけど
でも最大のことは小さなことをまったく気にしない、彼は私から何も奪おうとはしなかった
彼を思うと不思議な温かい気分になる
俊哉と二年間も結婚生活をして共に暮らしてきたのに、彼のことを心から愛していると信じていたが
今柚彦君に感じているような親密な気持ちを抱いたことはなかった