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「もー…今度こそ、オレ…許さないっスからね…」


きっかけはいつもの些細な事から始まった。

理由はそれぞれだがよくある喧嘩。

それから一日ぐらいずっとまともに会話もせず、会えてもそのまま無言でスルー。

周りはもう喧嘩なんて見なれた光景で。

いつものあれかぁ、ってみんな去っていく。

『はぁ……』

結局一日そのままで夜を迎えていた頃。

最近ではおやすみの時間にはオンボロ寮にラギー先輩から会いに来てくれて、たわいもない話をして。ぎゅ、と優しく抱きしめながら一緒に眠りにつく。

でも今日は会いに来てくれる気配がない。

喧嘩中だから、いつもの時間に来ない。

『当たり前か…』寂しいな…、しばらく経って寂しさが勝ち、自分から会いに行ってみることにした。




ーサバナクロー寮へー


鏡が光り出し、馴染みある寮に辿り着く。

薄暗く人の気配がしない寮内はとても居心地が悪く恐怖感が増していって…。

『ラギー…先輩…』

ちょっと暗くて怖いな…、、と思いながらも何とか彼の部屋の前に到着。コンコンと2回部屋の扉をノックをして。

「…な…っ!!」

気配と声に気づき、

バァンッ!!とドアを弾くように突如開く。

「…っ、な、に、してんスか」

こんな夜に、と目を見開いてる。

『ら、ラギー先輩、ドアそんなに強く開けちゃ!?』

言いかけた途中、そのまま倒れるんじゃないかってぐらいの勢いで抱きしめられた。

『わっ、ちょ、ラギーせんぱ、』

「…抱きしめたかったス……不安にさせて…ごめん」

ぎゅうう…っと抱きしめられる。

『………私の方こそごめんなさい。…会いたくなって来ちゃいました。』

「うん……、」

ラギー先輩の顔を伺ってみると、耳がペしょ、と項垂れていて。…少し可愛い。

『くっ、ふふ…。ラギー先輩も不安だったんですか?』

抱き締め返しながら少し背伸びして頭を撫でてみる。

「うるさいッス…」

ぎゅううぅ…っ…とぐりぐり頭を押し付けられるように甘えていて。

今日の寂しさなんて無くなるくらい、ぎゅっと抱きしめて。彼の部屋で一緒に眠った。

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コメント

4

ユーザー

なんかすごい良かったです!

ユーザー

めっちゃ、好きです!!応援してます❕❕

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