テラーノベル
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夕飯までの間、特にやることもないから、この家の探検でもしようかと、部屋を出て扉を閉めた瞬間、怒られるのではないかと、怖くなった。
「……?」
胸の辺りがギューってなって、手が震えて。反射的に部屋に入ってしまった。……瞬間
「おい、入るぞ」
さっきよりも少し粗めなノックが終わるか終わらないかぐらいで、滉斗さんが入ってきた。やっぱり、勝手に部屋から出たらダメだったかな……
「なんでそんなに震えてんだよ。やっと出てきたと思ったら、一瞬で戻ったじゃねぇか」
ごめんなさい!体を丸めて、出きる限り小さくなる。
さっき車のなかで聞いてた声は、少し角ばってるけど、どこか丸くゆったりとした音だった。なのに、いまは、同じ声なのに、トゲトゲして、体を突き刺す感じがした。
「っ……わりぃ。怒ってるわけじゃねぇんだ」
背中が温かくなる。え、僕、抱きしめられてる?
少しだけ、体が緩む。恐る恐る顔を上げると、どこか寂しそうな、焦ったような、滉斗さんの顔が目に入った。
「どうして……そんなに怯えてるんだよ」
なんでって……だって、怒られるから。固いものが飛んでくるから、守らないと、自分を。じゃないと……
「ここには、おまえを傷つけるものはない!ここはおまえの家だ。俺たちは、おまえの家族だ。家族は互いを傷つけ合うものじゃないんだよ!」
滉斗さんの僕を抱きしめる力が、一回り強くなった気がする。
家族は、傷つけ合うものじゃない……
「おまえ、いや、もとき。部屋の外、出てみたかったんだろ?」
あ、名前。名前を呼んでもらえるって、こんなにも嬉しいことなんだね。
部屋の外、出てもよかったんだ。
「行こうか、俺と。自分の家くらい知っておきたいだろ」
滉斗さんに抱えられて、立ち上がる。年齢は4つしか変わらないらしいが、僕よりだいぶ大きくて体がしっかりしてる滉斗さん。差し出してくれた手を、少しだけ躊躇してから、そっと握った。
「これからは、好きなときに家のなか、散策していいからな。自分の家だ。」
自分の家……そっか。僕は、使用人としてここに連れてこられた友だちで、家族なんだ。だから、ここは、“自分の”家なんだ。
知りたい、自分の、初めての家のことを。
だいぶというか、めちゃくちゃ遅くなりました!
ごめんなさい!
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