桜舞い散る

春らしくなって来て暖かい。

ドライブ日和りだ。

目黒と阿部はお弁当を作って桜を見に行った。

早咲きはもう満開。

散歩にちょうどいい。

阿部ーあったかいね。

目黒ーでも、変装に困るね。

阿部ーん〜そうだね。

目黒ー桜の下でお弁当は諦めた方がいいみたい。

阿部ー車の中で食べよう？

目黒ー仕方ないなぁ。

今日は珍しく2人揃ってオフ。

シーツ洗って、布団を干して、家事を済ませて昼前に家を出て来た。

目黒ーん〜気持ちいい。

阿部ーね、気持ちいいね。

目黒ーちょっと遠くまで来たから人がそんなにいないね。

阿部ー良かった。

目黒ーこれなら、桜の下でお弁当食べよう？

阿部ーどの桜の樹にする？

目黒ーんと〜あそこ！

阿部ー誰もいないね。

目黒ー行こう？

阿部ーうん。

2人で作ったお弁当を食べ、目黒はゴロリと寝転がる。

阿部は桜の花びらを集めて、目黒の顔にかける。

目黒ー亮平くん。

阿部ーあっ寝てなかったね。

目黒ーいい香り。

阿部ーふふふ。

目黒の足元に黄色いボールが転がって来た。

小さな子供が追いかけ、それを母親が追いかけている。

子供ーあっ・・あっ・・。

目黒ーはい、どうぞ。

子供ーあ〜と。

目黒ーはい。

母親ーすみません。

阿部ー可愛いですね。

母親ーやんちゃで困ってます。

目黒ーお名前は？

母親ー翔太です。

阿部ーへぇ。

目黒ー翔太くん、バイバイ。

子供ーば〜ば〜。

母親と子供がいなくなってから、目黒と阿部は笑い出した。

阿部ー翔太だって！

目黒ーしょっぴーに会えた。

阿部ーふふふ。

目黒ーははは。

2人は桜の下で笑い合う。

お弁当食べたし、写真も撮って、ゆっくり出来たので，そろそろ帰ろうかとなった。

家に帰ってきて、ソファでお茶でもと目黒が淹れてきた。

そこに阿部が桜の花びらを浮かべる。

阿部ー楽しかったね。

目黒ー楽しかった。

阿部ー桜、綺麗だった。

目黒ー亮平くんの方が綺麗。

阿部ーばか。もっと季節を感じなさい。

目黒ー桜の舞い散るのは綺麗。

阿部ー今日はいい休日だね。

目黒ーそうだね。

2人は優しくキス。

ベランダに置いてる椅子に座って春の風を感じながら目を閉じのんびりしてる。

阿部は幸せだなと思うのだ。

目黒から告白されて泣いて怖くて、それでも好きになって大事にされて。

阿部ー幸せだな。

目黒ーどうしたの？

阿部ーめめが告白してきたから今がある。今とっても幸せだもん。

目黒ー亮平くん。

阿部ー俺はめめを幸せに出来てる？

目黒ーもちろん。

阿部ーあんな可愛い子供産めないよ？

目黒ー亮平くんがいればいい。

優しくキス。

ちょっと目尻に涙を滲ませ微笑む阿部。