コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
***
日サロのオネェ店長に聞いたこと。
昼間は日サロで店長をしているが、夜はゲイバーで女装をし、やってくるお客様とイチャイチャしているらしい。頭を坊主にしているのも、いろんなカツラを被るためだとか。
多分そういう仕事というか、趣味をしているだろうと目論んだので、思いきって質問してみたんだ。
『あのさどうやって、完璧な女になろうとしてるんだよ?』
元が男だからこそ、それはそれは見えない努力で、女になっているハズ。
若干引き気味になりながら、質問した俺の顔を見て、ニヤァと薄ら笑いを浮かべたオネェ店長は、いきなり店を閉めて、わざわざ俺にレクチャーする。
化粧品からファッション・ダイエットにいたるまで、ありとあらゆる知識を教えてくれた。だがその量がものすごくて、覚えられないものだったから、必死になってメモをしまくって。
「次にお店に焼きに来たとき、今年の秋冬ファッションとネイルについて問題を出すから、予習しなさいよね」
なぁんてことを言われてしまったせいで、必然的に勉強する羽目になった。
お陰で、女が興味を持つものに対しての知識が深まったから、それを元にお客様との会話に花が咲く結果となり、指名客が必然的に増えていく形になった。
頑張った成果が成績に加算され、3ヵ月後にナンバーワンになった俺。
実力が物をいう世界だからこそ、ここぞとばかりにそれを使うべく、以前ミーティングで提案したお願いを先輩方に促し、無理やりって感じだったけど、やってもらえることになって、店の経営が上昇気流に乗りかけたのに。
大倉さんの顔色がどこか憂いに満ちていて、それがすっげぇ気になった。