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月城 蓮桜音
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水羽
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1003番はweb で申し込んできた男性だった。五十代の痩せ型で白いポロシャツ、スラックスという服装で、どこにでもいる地味な雰囲気だった。
「去年、会社の業績不振で、体良くクビになりました。再就職をするか、自分で自営業をやるか悩んでるんで、ご指示を仰ぎたいと…」謙虚な感じだった。
「そうですか。今まではどんなお仕事を?」山富士は尋ねた。「ゴルフクラブの雇われマネージャーです。事務には向いているようで、簡単な雑用ですよ。」「何かやりたい事とか、好きな職種はありますか?」今迄はサラリーマンとはいえ、かなり楽なポジションだったようだ。
「ええ、親が残した田舎の土地がかなりありまして、売れば二束三文なんで利用出来る仕事が有れば一番いいんですが…」「それはうらやまし、いえ、ご家族は? 」「家内はバリバリのキャリアウーマンで別居状態です。相談すれば『やめときなさいよ』と言われそうで。あとは息子が居たんですが、娘になってしまいました。」「?」「いえ、個人の自由ですから、『自分は女が向いてる』といい出して、今は家内の秘書をやっています。」聴く所によると、彼はおボッちゃんで、妻が働きものなのだろう。
「田舎の山林なら、あなたがゴルフ場をやったら如何ですか?」「それらしく造るのは金がかかるんで、他になんか無いですかね…」
山富士はふと思いついた。「息子さんが娘さんになったのなら、そういう人限定の何かにしたら?例えば、ここにくれば、素地を出して、ストレスが発散出来る様な…」「あぁなるほど!ちょっといろいろ勉強してみます。」彼は何を思いついたのか、そそくさと帰った。
相談料のお布施は三千円だった。
コメント
1件
第30話読みました〜! 今回の相談者、すごく地味で普通のおじさんなのに、話を聞いていくうちにどんどん複雑な家庭事情が見えてきて面白かったです。特に「息子さんが娘さんになった」ってとこで山富士さんの「?」が一瞬入るところ、なんか好きでした笑 田舎の土地で「そういう人限定の何か」ってアイデア、ちょっと攻めてるけど現実的でいいアドバイスだなって思いました。3000円のお布施で帰ってく感じもこの作品らしいですね🌙