episode3
〜神山高等学校〜
類『おはよう、司くん』
司『類!体調は良いのか!?』
正直まだ倦怠感も動悸も凄いし嗚咽感もある。だけど二度とあんな顔は…嫌だから
類『あぁ、昨日は少し徹夜で調子が悪かっただけだよ♪』
司『…そうか!もう無理するではないぞ!!』
司くんの明るくなる顔。それを見るだけで勝手に口角が上がる。笑顔になる。すっかり症状を忘れてしまうぐらい。
__だけどそんなの気のせいに過ぎなかった、今日は休むべきだった
教師『それじゃあもうすぐ避難訓練があるからな〜』
避難訓練か。まぁ授業が潰れるなら良いかな。その時間は苦手な授業だし。
(ピーンポーンパーンポーン
『今から火災避難訓練を始めます』
(ギュイーンギュイーンギュイーン火事です火事です
類『…!? ハッ、ハァッ…!』
どうしてだ、急に息が荒くなる。何も怖くはないのに。頭にずっと響いて…
クラクラして体が僕の命令通りに動かない…
ガタッ(崩れ落ちる)
司『類!?』
クラスメイト『何だよ神代、ビビってんのw?』
類『ビビってなんか…っ』
動悸が…いや、過呼吸か?分からない症状に体が侵食されていく。だんだんと。
落ち着け。落ち着くんだ…なんて言っても体は聞いてくれない。
類『カヒュッ、カヒュッ…!』
司『類!!しっかりしろ!!』
そんなの言われても…出来ない。どんどん蝕まれて悪化していく。助けて。
司『あああああどうしたらいいんだ!?』
教師『落ち着け神代!訓練だ!安心しろ!!怖くない!!』
違う、怖くなんかない、でも、なら、なんで…
類『あッ…ちっ、カヒュッ…』
司『類…!』
司くんが僕の背中をさする。さっきは司くんのおかげで症状が収まった。なのに、今はそれが嘘のようにどんどん悪化していく。司くんの温かみがより悪くしていく。
モブ女『わ、私保健室の先生呼んでくる!!』
教師『あぁ、頼んだ!!』
ドンッ!!
あの子が急いで外に出ていく。あぁ、どうしよう。また皆の間で騒がれてしまうのかな。「あのワンツーのツーの方体調崩して…」なんて言われたくないな…
…それに、もしあの子が訓練なのに何してるんだ!!って別の先生とかに怒られたらどうしよう。あぁ、色んな心配が僕を圧迫する。そしてどんどん呼吸が荒くなる。
あれ、どんどん体の力が抜けて…