テラーノベル
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特筆事項が無い時はですね、とりあえず寝ればいいんですね
「あー、治らんのだけど」
ゆんゆんと波打つ寝癖と格闘している。もらった櫛で何度も梳かしてみるが、一瞬治ったと思えばぴこんと元に戻る。
「ねえ柔太朗ー、手伝ってえや」
「別にいいけど」
「やったー」
たどたどしい動きで櫛が動いている。もしかしなくとも頼んだ方が間違いだったのか。どんどん冷や汗がながれていく。
不安になって鏡を取ったら、一つも改善されていなかった。それどころか悪化してふわっふわになっていた。
「舜太ごめん、なんかダメだった」
「謝る必要ないやんか、手伝ってくれてありがとうな」
罪の意識を植え付けてしまうのは申し訳ない。手伝ってくれてありがとうって、ちゃんと伝えたい。
それにしても、運命というものはよくわからない。どんな数奇な巡り合わせか、一目惚れしちゃって、網に間違って引っかかり、王子様に買われて、ゆうゆうと暮らしている人魚など、世界のどこを探しても俺しかいない。
どこか一つでも違えばこうなることはなかった。そう思うと過去の自分を褒め称えたくもなる。
そうだとしても網に引っかかるのはアホだし、ドジって言ってきた柔太朗も大概だけど。口が悪くて似たもの同士でいいじゃないか。
それにしても、王子様を呼び捨てしていてもいいのか。今気づくなんて、不敬にもほどがあるのだが。
コメント
1件
第15話読んだよ! 人魚の舜太くんが寝癖と格闘してて、柔太朗が櫛をぐちゃぐちゃにしちゃうくだり、めっちゃ微笑ましかったw 王子様を呼び捨てにしてるのに「不敬すぎる」って今さら気づくところもクスッときた。 それにしても「網に間違って引っかかって王子様に買われた人魚」って、普通の幸せの形じゃないけど、二人の距離感が絶妙でほっこりするな〜。 この2人、もっと見ていたいわ!
びび
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