足を止めた場所はなんと…
スンミナの家の前。
ホントなんなの…ㅎ
自分からスンミナを突き放しといて、また会おうとしてる。
どうせ今会っても絶対僕にうんざりしてるし、なんなら一生話してくれないんじゃないかな…
『マイナスな事は考えないようにしようよ。』
スンミナに言われた言葉。
最愛の人が僕のために行ってくれた言葉なのに、全然守れてないな…ㅎ
スンミナの家の前の道路で、誰かを待つわけでもなく、ただ立ち尽くしていた。
ガチャン…
いってきまーす、
L:ぁっ…、、
リノや…?
玄関の扉が開いた瞬間、目を伏せてしまった。
僕の名前を呼ぶ声、紛れもない。スンミナ。
聞き慣れた足音。僕に近づいてくる。
僕のすぐ近くで、足音が止まる。
目線をほんの少し上げるとスンミナが大好きなスポーツメーカーが印刷されているサンダルが見える。
ゴミ袋も見えることから、ゴミを捨てに行く予定だったのだろう。
S:どうしたの?リノ。
いつもと変わらない、仏のように優しい声で僕に声を掛ける。
毎日欠かさず聞いた声なのに、今日の昼まで聞いてた声なのに、何故か懐かしく感じる。
その懐かしく感じた声に何故か涙が込み上げて来る。
涙で前が見えなくなる。
もう泣いてる姿をスンミナに見せたくなかったのに。
涙が自分の足に滴る前に、スンミナの前から消えようと、後ろを向き、歩きだそうとする。
S:ぁ、まって…
ガシッ…
ずっと触れていたかった大好きなスンミナの手に掴まれる。
L:ごめんなさいッ、
大好きだったスンミナの手を振り払う。
そして、鉛のように重い足を動かし、ただひたすらに目から涙を零しながら走った。
ギュッ…
はぁッ…はぁッ…
耳元に感じる、人の吐息。
やっぱりスンミナには敵わないね…ㅎ
どんだけ僕が本気で走ってもすぐ追いつかれちゃう。
バックハグされて、僕の心が落ち着くようにという意味なのか、子どもを寝かしつけるように胸をぽんぽんと、優しく叩く。
S:僕こそごめんね。無責任なこと言っちゃった。
L:ううんッ…スンミナはッ悪くないのにッッ、
S:リノやこっち向いて。
そういって、僕の事を抱きしめる力を緩める。
恐る恐るスンミナの方を向き、また俯く。
S:こっち見てってば。
ほっぺたを両手で掴まれ、顔を強制的に上に向けられる。
S:泣いたら可愛い顔が台無しって言ったじゃんㅎ
L:ヒグッ…すんみなぁッ、
S:ほらもう泣かないで〜ㅎ
そう言って君はまた前からちゃんと抱き締めてくれる。
スンミナの優しい顔が見れて、安心してまた泣いてしまった。
しばらくスンミナの胸の中で泣いた。
S:ㅎㅎ…治まった…?ㅎ
L:コクッ…
L:ごめんねッ…
そう言って、スンミナから離れる。
さっきまで僕の顔があった、スンミナのグレーのスウェットは一部分だけ色が濃くなっていた。
S:あ、一緒にゴミ出し行かない?今オンマに頼まれててさ、
L:…行く…。
S:行こㅎ
ゴミ捨て場に行く途中の道でも、僕の冷えきった手を温かい手で包み込んでくれる。
S:ここの駅行きの電車って今の時間あったっけ、?
L:わかんない、
S:え?リノここまで電車で来たんじゃないの?
L:ううん、歩いてきた。何も考えずに歩いてたらここに着いたの。
S:なにそれ、ㅎ僕のこと大好きじゃんㅎㅎ
L:…うん、大好き、。
S:もー、かわい
スンミナの家から、300メートルくらい離れたゴミステーションに着いた。
そこでゴミを捨て、来た道を戻る。
S:どうする?僕の家来る?
L:ううん、帰らないと、またオンマが…ぁ…
S:オンマ?オンマがどうしたの?
L:いや、、何でも…ない…。
S:何でもないならいいけど…。 抱え込まないで、話してね?
S:僕はリノの味方だから。
その言葉が、僕の中で響く。
今まで、僕の味方なんていないと思ってた。
一番身近にいるオンマでさえ、味方だとは思えなかった。
僕は一人で孤立していた。
そんな中、支えてくれたのはやっぱりスンミナだった。
L:……やっぱりスンミナの家行きたい。
S:いいよ、行こ。
S:ただいま〜、
L:お邪魔します、
S母:あら、リノくん。ゆっくりしていってね。
L:はい。
S:僕の部屋行こ。
L:うん。
S:ゆっくり休みな。疲れたでしょ、ㅎ
そう言って、ホットミルクを僕の前のテーブルに置く。
L:ありがとう。
S:話してくれる、?
S:僕、リノの事で知らないことがいっぱいあるんだ。
リノの家庭のこととか、話した事なかったし、さっきも、オンマの話で突っかかってたから気になって…
L:うん、いいよ、
そこから、スンミナに僕のことを全て打ち明けた。
僕の家系は、みんな高学歴なのに僕はあんまり偏差値の高くない高校に行き、オンマが僕に呆れていること。
家庭環境があまり良くないこと。
オンマが自分の中で思ってる僕の友達のこと。
L:だから、スンミナの家が羨ましかった。
L:スンミナのオンマはすごく良心的で、子ども第一って感じがして暖かった。
L:それに比べてうちは、ただただ勉強させてマニュアル通りの人生を歩ませようとしてくる中身の無い家庭だった。
L:この前なんて、恋人を作るなんて二の次なんて言われちゃって…
S:ッ…辛かったね、
L:ㅎㅎ、ごめんね、暗い話ばっかり…
S:ううん、僕が聞いたんだもん。気にしないで。
L:ぁ、そろそろ帰らないと、またオンマに怒られちゃう…ㅎ
S:そっか…うちが車で送っていこうか?
L:ううん、自分で帰れるよ。ありがとう。
S:ごめんね。何もできなくて、
L:話聞いてくれて身が軽くなったよ、
L:じゃあね。
S:うん、バイバイ。
※seungmin side※
リノが僕の家を出て数十分が経過した。
そろそろ家についた頃だろうと、一応電話をしてみる。
プルルルルル…
プルルルルル……
無機質な音が何度も部屋で響く。
…ただいま、電話に出ることができません…
何度電話をかけても繋がらない。
嫌な胸騒ぎがする。
諦めずに何回も、何十回も電話をかける。
遂に…
繋がった。
S:はッ…リノ!?
L📞:すんッ、みなッ…たすけてッ…
S:ぇ……?
ドンッ…!
ぅ゛ッッ…
ツー…ツー…、
鈍い音と共に、リノとの電話は切れた。
コメント
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りのさん彼女もありな気がしてきた…!
最高すぎます! 続き楽しみに待ってます!