アゲハ「マタロウ君!!」
アゲハの叫び声も虚しく、マタロウは悲鳴を上げながらトイレに吸い込まれてしまった
トイレの蓋が閉まり、マタロウのズボンとケロぴのパンツがパサリと落ちる
ジンペイ「マ……マタロォォォォッ!!」
男子トイレに、ジンペイの悲痛(?)な叫び声が響き渡った
ジンペイ「マタロウが消えたのは、トイレの花子さんの仕業に違いない!」
マタロウが失踪した後、アゲハ達はすぐに行動を開始し、霧のかかった薄気味悪い森の中を突き進んでいた
コマ「だね!」
アゲハ「この先が、花子さんのいる古い校舎だね」
ジンペイに続き、コマとアゲハも気を引き締めてそう声を上げた
少しして…
メラ「見えたぜ」
薄暗いのは相変わらずだが、少し霧が晴れて視野が広がる
アゲハ「分かれ道…?」
目の前の道は2つに裂けているが、その先がカーブになっていて見えない
しかも、何やら大きな像が2つスポットライトに照らされて佇んでいる
コマ「あれってもしかして、トイレの男用と女用のマーク?」
確かに、言われてみれば、左の像が男、右の像が女に見えなくもない
ジンペイ「なるほど!トイレの花子さんの道に通じるならそうかもな!」
メラ「てことは、俺達は男用か」
メラの言葉に、男子3人はスタスタと左に進んでいく
それを見た女子組のアゲハとフブキは不安の声を上げる
フブキ「ちょっ、ちょっと!女用に進むのって私とアゲハの2人だけ!?;」
メラ「当然だ」
フブキの怯えた声を聞いても即答でズバッと言いきるメラ
アゲハ「えぇぇぇ…怖いよぉ…」
コマ「何かあったら大声で叫んでね。(アゲハの為に)飛んで駆けつけるから」←
そう言って、3人は左に進んでいった
アゲハ「うううう……フブキちゃぁん…手、繋ご…?」
フブキ「()」←
アゲハの無自覚上目遣いにフブキが断るはずないだろう
フブキ「ええ、いいわよ♡」
フブキは可愛いアゲハにメロメロ。
ギュッとアゲハの左手を握って右に進んでいく
そして、右のカーブの曲がり角の先が見えた途端、怪しい人影が…
アゲハ/フブキ「「きゃあぁぁぁ!!」」
フブキ「…って、裏で繋がってたんかいっ!!」
フブキは人差し指で男子3人を指差して突っ込んだ
アゲハ「うえぇぇ…やめてぇ……」
コマ「ゴメンね!?急に出てきたジンペイ君が悪いんだ!」←
ジンペイ「はあ!?なんでだよ!?」
ジンペイとコマが謎の言い合いをしていると、突然、目の前の霧がスゥッと晴れた
ジンペイ「なんだ?」
変わりに、目の前には大きなお城の門の様な建物が聳え立っている
頭上には青とピンクの旗が風でバサバサと靡いている
アゲハ「あの校舎は、花子さんの妖気が作り出していたんだ…」
?「ようこそいらっしゃいました」
「「「「「!?」」」」」
すると、前の門の方から人の様なシルエットが…
?「トイレの世界を統べる女王、『花子様』の住まわる『モラシタ・ラ・ダメリア』ヘ」
なんか聞いたことあるようなお城のネーミングである
コマ「モラシタ・ラ・ダメリア?;」
フブキ「なーんか、サグラダ・ファミリア的な感じね;」
2人が半目になっていると、門の方から1人の男性が姿を現す
執事「私は、花子様の執事でございます」
執事であろうその人は、胸に手を当てて恭しく頭を下げた
ジンペイ「花子さんって、城に住んでて執事までいるのか!?」
ジンペイは思ったことをまんま口にする
執事「皆様、此方にお越しになったご用件は?」
ジンペイ「ご用も土壌(?)もねえ!マタロウを返して貰おうか!」
すると、執事は眉を顰める
執事「マタロウ…?ああ、先程いらっしゃった花子様の新しい『お友達』ですね?」
フブキ「お友達?」
執事「はい。トイレに吸い込まれた者は、皆花子様の『永遠のお友達』となるのです。
ご案内致しましょう。花子様の元に」
そういうと、執事は門の方に向かって歩いていく
アゲハ達も気を引き締めて執事の後ろを付いていった
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