テラーノベル
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注意
・この物語はフィクションです。実際のあらゆるものとは一切関係ありません。
・若干両重い気味な🇬🇧🇫🇷の馴れ初め的なお話です。(視点は🇬🇧さんです。)
・直接的な大人なキスの描写があります。
・また、最中の描写はありませんが事後の描写が含まれています。
・全体的にR15な内容です。
以上をご了承の上でお読みいただけますと幸いです。
こんなに心を掻き乱されたのはいつぶりだろうか。
なんの変哲もない日曜日。今日は私の家で手に入る事はない愛しいヒトと、少しばかり早いディナーを楽しんでいた。
空はまだオレンジ色だが、彼女の好きなワインもある。
だが私の腕の中には今、その手に入れることは叶わない筈であった愛しいヒトがいる。
これは正しく彼女が生まれた時と同じ様な衝撃だ。白昼夢だと言われてしまった方が未だ理解できる。
だが、今のこの状況はわからない。何せ、急に彼女が何も言わずに私に飛び込んだかと思うと、その綺麗な腕を私の首に回してきたのだから。
一先ず、このままでは気まずいし(勿論幸せでもあるが)声をかけることにする。
「フランス、、、?とうとう可笑しくなったんですか?」
「え?、、、あぁごめんなさい、急にしたくなったの。今離れるわ。」
声をかけると、何故だか彼女も困惑していた。
どうやら無意識だったらしく、回していた腕を解こうとし始めた、、、が、それは叶わなかった。私が彼女を逃がすまいと、彼女の背中に回した腕に力を込めたのだ。
「ちょっと、イギリス?離して。」
彼女はそう言い抵抗するが、私はより一層腕に力を込めた。
「力強、、、どうして離してくれないのよ、、、」
「飛び込んできたのは貴女ですよ。」
愛しいヒトが私を求めようとしたのなら、それに応えるのが紳士というもの。離してやれる訳がない。
そんな私の考えを見透かしたのか、彼女は大きなため息をついた。
「はぁ、、、可笑しくなったのは貴方じゃないの。」
「どの口が、、、まぁ、しばらくは離さないであげましょう。」
そういうと、彼女は苦しげな声で拒絶の言葉を吐いた。
「本当にやめて、、、こんな思い、貴方に向けたくないの。だからやめて、、、私を拒絶してよ。」
なんて。
もしかして、彼女は私と同じ心を抱えているのだろうか。
もしそうならば、なんて喜ばしい事だろう!半ば諦めていた愛しいヒトを手に入れるまたとない機会じゃないか。
私はまた、腕の力を強めた。
「だからやめて、、、」
「嫌ですよ。愛しいヒトを離すなんてそんな愚かな真似、私はしたくない。」
「何それ、、、からかってるつもり?」
「残念ながら私は本気だ。それに、紳士たるもの求められたら応えるものです。それがフランス、貴女ならば尚更。」
そういうと彼女は顔を上げ、驚いた様な顔を私に見せた。何とも可愛らしいものである。
それから幾ばくか経ち、彼女は口を開いた。
「、、、本気にして良いのかしら。」
「えぇ勿論。」
そう答えてやると、彼女は満足そうに笑みを浮かべ笑った。
「そう、、、あはは、私貴方が愛しくって仕方がないみたい!」
そんな風に言う彼女の笑顔がどうにも愛おしくて仕方がなくて、私の中でドロドロとした汚泥の様な感情が湧きだつのを感じた。
そんな自身の感情を知ってかしらずか、はたまた彼女もそんな感情を沸き立たせているのか、目を細めうっそりとした彼女に顔を引き寄せられる。
そんな彼女の顔に耐えられず、私はつい唇を重ねてしまった。
彼女もそんな私に満足したのか、どこかざらついた舌で私の口内に侵入して、私の舌を招くように戻っていく。
そして、それに応える様に私は彼女の口内を貪る。
そんな風にお互いを貪りあって幾ばくか経った頃、彼女は満足したのか口を離した。
それから彼女は窓から入り込む光に照らされ、金色に輝く私達を繋いだ糸をその細い指で切り取り、口を開いた。
「あはっ、、、イギリス、私酔ったみたい。クラクラして仕方がないの。」
「その酔いはワインですか?それとも、、、」
「勿論貴方よ。、、、決まりきっている答えを聞いて楽しいの?」
そんな風に笑いながら、重い甘さを持つ表情で問う彼女に私はドロドロとした感情を増幅させてしまった。
私はそんな感情を誤魔化すべく、それでいて本心からの言葉を返す。
「えぇとても。興奮するじゃないですか。」
「ふぅん、、、」
その後の沈黙から幾ばくか経ち、無の時間から逃れるように彼女は口を開いた。
「、、、ねぇイギリス?私少しベッドで休みたいわ。」
なんて言いながら、彼女は私の顔に手を添えた。
それに応えるように私は了承の言葉を吐く。据え膳食わぬは何とやら、彼女もここまできて止めるような無粋なヒトではなかったらしい。
「、、、いいですけど、休まることはないと思いますよ。」
「えぇ、ぜひそうして?」
その言葉を聞き届け、私は彼女を抱き上げた。
_________
翌日、若干の暑苦しさを感じ目覚めると腕の中にはフランスが居た。そういえば、昨夜は混ざりあっていたのだった。
それにしたって、彼女の寝顔は昨夜を感じさせない呑気なものである。
妙に長いまつ毛にあどけなさの残る口、、、そんな風に彼女を観察していると、また自身の中で愛しさと共に汚泥の様な、ドロドロとした感情が湧いてきてしまう。
そんな感情に蓋をして、未だ眠りこけている彼女の額にキスを落として起きあがると、その衝撃のせいか彼女も目覚めた。
「おはよ、イギリス、、、」
「あぁフランス、おはようございます。、、、まだ寝ていても良いですよ?」
そういうと、彼女はどこか拗ねたように答えた。
「、、、貴方も、もうちょっと寝ましょうよ。」
「でも、私は朝ごはんを作らないといけないんです。」
「いいじゃない、ちょっとぐらい。それとも私は朝ごはん以下の存在なのかしら?」
そう言いながら彼女は私の腕を掴み、ベッドに引き込む。
まぁ確かに、朝食よりも彼女の方が大切だ。彼女がそれを望むのなら、私ももう少しベッドにいることにしよう。
そう思い、私はまたベッドに入り込み彼女を軽く抱きしめた。
そうすると、彼女は満足そうな顔を浮かべるのだった。
「イギリス、愛してるわ。」
「私も愛してますよ、フランス。」
そんな、なんの変哲もない月曜の朝である。
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🇬🇧🇫🇷概念香水(雑談参照)を嗅いでいたら出来た産物です。