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杏
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入学式が終わった。
思っていたより長かった。
❤️「腹減った」
🩷「それしか言わんな」
❤️「だって腹減ったし」
💜「確かに」
🩵「こさもお腹すいた」
大学を出た四人は駅前へ向かっていた。
初日くらいみんなでご飯を食べよう。
そうなったのは自然な流れだった。
❤️「何食う?」
🩷「なんでもいい〜」
💜「お前いつもそれだな」
🩷「だって決められないもん」
🩵「あ!」
❤️「ん?」
🩵「ハンバーグ!」
💜「子供かよ」
🩵「好きなんだもん!」
💜「知ってる」
あっさり返される。
それだけなのに。
嬉しい。
❤️「じゃあハンバーグで」
🩷「決まり〜」
店へ向かう途中。
大学の話になった。
❤️「思ったより人多かったな」
🩷「わかる」
💜「高校とは全然違うな」
🩵「友達できるかなぁ」
💜「できるだろ」
🩵「でもみんな知らない人だよ?」
💜「だから友達作るんだろ」
🩵「むぅ……」
💜「心配すんな」
💜「最悪俺いるし」
一瞬。
呼吸が止まる。
❤️「うわ」
🩷「うわぁ」
💜「なんだよ」
❤️「無自覚怖ぇ〜」
🩷「ほんとにな」
💜「だから何なんだよ」
こさは顔を逸らした。
たぶん。
今の顔は見られたくない。
好きな人にそんなこと言われたら。
期待しちゃうから。
店に着く。
四人席。
いつも通りの並び。
こさの隣はいるまくんだった。
自然と。
昔からそうだった。
❤️「何頼む?」
🩷「俺これ」
🩵「こさこれ!」
💜「じゃあ俺も同じ」
🩵「!」
💜「なんだよ」
🩵「えへへ」
💜「気持ち悪ぃ」
🩵「ひどい!」
❤️「いつものだな」
🩷「いつものだね」
注文を終える。
料理が来るまでの時間。
話題は自然と高校時代の話になった。
❤️「そういやさ」
❤️「こさといるまって幼稚園からだっけ」
🩵「うん!」
💜「そう」
🩷「長っ」
❤️「人生のほとんど一緒じゃん」
💜「まぁな」
🩵「ずっと一緒だよ」
そう言うと。
いるまくんが少しだけ笑った。
💜「腐れ縁だけどな」
その言葉に。
胸が少しだけ痛む。
腐れ縁。
幼馴染。
親友。
きっと。
いるまくんにとってのこさはその辺りだ。
それ以上じゃない。
分かってる。
ちゃんと。
分かってるのに。
🩵(期待しちゃうんだよなぁ……)
料理が運ばれてくる。
❤️「うまそ」
🩷「いただきまーす」
🩵「いただきます!」
四人で笑う。
何気ない時間。
だけど。
こさにとっては特別だった。
いるまくんが隣にいて。
なっちゃんとらんくんが笑っていて。
それだけで幸せだった。
ずっと。
この時間がずっと続けばいいのに。
そんなことを思ってしまうくらいには。
帰り道。
駅でみんなと別れる。
❤️「また明日な」
🩷「ばいばーい」
🩵「またね!」
二人が去っていく。
残ったのは。
こさといるまくん。
昔から慣れた帰り道。
💜「疲れたな」
🩵「ねー」
💜「大学生か」
🩵「実感ない」
💜「それは分かる」
並んで歩く。
沈黙すら心地いい。
💜「こさ」
🩵「ん?」
💜「明日も迎え行くから」
🩵「!」
💜「寝坊すんなよ」
🩵「しないもん!」
💜「するだろ」
🩵「しない!」
💜「する」
🩵「しない!」
笑い声が重なる。
夕日が綺麗だった。
この時間が好きだった。
いるまくんが好きだった。
昔も。
今も。
きっとこれからも。
🩵(この恋は)
🩵(叶わなくてもいい)
🩵(今のままでいられるなら)
コメント
1件
第4話、読み終えたわ〜! めっちゃいい雰囲気だよね、この四人組の距離感。るまくんの「最悪俺いるし」が無自覚すぎて、読んでるこっちが「うわ〜!」ってなった(笑)。こさの気持ち、すごく伝わってくる。ずっと一緒にいるのに「腐れ縁」って言われるだけで胸がキューってなる感じ、わかるなあ。 最後の「叶わなくてもいい」って諦めの一歩手前みたいで、でもそれを言える強さもあるんだよね。続きがすごく気になる!