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みえりな@多忙の為あまり居ない
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山中はいつまでも帰ってこない年長組2人を心配し、事務所内を走り回っていた。朝の異様な空気の佐野。何も知らない様子の吉田。そのふたりがYouTubeの撮影後から姿を消した。吉田の様子を見る限り、佐野の方に何かあったのだろうと思い、佐野ではなく吉田に連絡した。
佐野のあんな様子は長年一緒にいても初めて見るものだったため、山中もどう接したらいいか分からないからだった。
「どこにいるの?大丈夫?」
送って数秒後、小さい既読マークだけ静かにつくと短く、でもわかりやすい文が送られてきた。
「2階トイレ、1番奥」
急いで目的地に向かう。トイレに入ると中には誰もおらず、1番奥の個室だけが閉まっていた。優しくノックして話しかける。
「じんちゃん、柔太朗だよ。開けれる?」
カチャリと静かに音を立ててドアがゆっくり開く。中から出てきた吉田はさっきまで元気にYouTubeを撮影していたとは思えない青白い顔色をしていた。今にも消えてしまいそうな、そんな雰囲気を纏う吉田から発せられる、なんとも言えない恐怖が山中を襲う。
吉田の目ははっきり言って〇んでいた。先程まで泣いていたというのは真っ赤になった目と頬に付いている涙の流れた痕でわかった。扉を開けただけでなかなか出てこようとしない吉田の手を掴むと山中はギョッとした。
山中は自分が今触っているこれが人の手だとは到底思えなかった。冷たすぎる。こんなに暖かいのに。血が通っていないのではと思うほどの冷たい手に山中は恐怖した。急いで吉田の手を引いて楽屋に連れていく。このままだと吉田が〇んでしまう。本気でそう思うほどの冷たさだったのだ。
楽屋に入ると曽野と塩﨑だけがいた。佐野がいてくれたら…と期待したが無駄だったようだ。2人も吉田の様子を見て驚く。白い肌がさらに青白く、ましては冷たくなっているのを確認するとすぐに自分たちの上着やらマフラーやらを吉田に巻き付け、ソファに座るよう誘導する。何があったか聞いても吉田は何も言わないどころか首を振ることすらしない。ただ一点をぼーっと見つめるだけだった。魂が抜け落ちたような吉田の様子に3人はひたすら自分たちが泣かないように耐えるしかできなかった。
コメント
2件
冷たさが、まるで命そのものを奪うみたいでぞっとしました。山中さんが触れた吉田さんの手──「血が通っていないのでは」と思わせる描写に、私も思わず手が冷たくなった気がしました。何があったのか、何も言わない吉田さんと、それを見守るしかできない3人の無力感が胸に刺さります。のりもちさんの、温度で心の状態を描く繊細さ、本当に好きです。続きが気になりますが、焦らずに連載を楽しみにしていますね🌷