夫婦の日常

岩本の家。

晩ご飯を作る予定だったが、なんか身体が怠い。

熱を測っても、熱はない。だが、とにかく身体が重く感じるし、動くのも億劫だ。なんだろ？

仕方ないから、弁当を2人分買った。今日は、これで勘弁してもらおう。ソファにドサっと倒れるように横になって、深澤が来るのを待つ。

深澤ー照？あれ？照？

岩本ー・・。

深澤ー珍しい、寝てる。

岩本ー・・んっ・・。

深澤ー起きた？おはよ？

岩本ーごめん、身体が怠いんだ。

深澤ー熱は？

岩本ーない。何も作れなくて弁当買ったから食べよう？

深澤ー食べれるか？

岩本ーん〜今はいいや、辰哉だけ食べろよ。

深澤ーん、腹ペコだから、食べるな？

岩本ーはぁ〜。

深澤ー何だろうな？

弁当を食べ、コーヒーを飲み、ひと息ついたころ、岩本は眠っていた。

寝室のドアを少し開けて、深澤は、リビングでテレビを観ている。

岩本が気になるから、今日は泊まろうと思っている。

夜の 11時ころ、誰かが深澤の身体を揺する。

眠ってしまっていたようだ。

岩本がそばにいた。少しは元気になっただろうか？

岩本ー辰哉、帰ったと思ったのに。

深澤ーそんなお前を残して帰れるか？どうだ？調子は？

岩本ーん〜、あんまり変わらない。

深澤ーじゃあ、寝てろ。

岩本ー辰哉のそばにいる。

深澤ーじゃあ、ソファに横になってろ。

深澤の膝に頭を載せ、2人はYouTubeを観てる。

岩本は、眠いのでうつらうつらしている。

深澤ー何だろうな。

岩本ー分かんない、寝ても寝ても眠いし、どうしよう。

深澤ー今日は、とにかくひたすら、眠ってしまえ。

岩本ーん。

しばらくすると、岩本は眠ってしまった。日中眠くて仕方ないのは、そういう病気がある。だが、夜まで1日中眠くて仕方ないのは、あまり聞いたことがない。

睡眠不足？疲れ？分からない。

深澤ー照、どうしちゃったんだよ？

今日だけだろうか？続くようなら病院にも行かないといけない。

深澤は岩本の頭を膝に載せて撫でながら、色々考える。

だが、いつの間にか、自分も、眠ってしまっていた。

明け方の5時過ぎ、岩本は目が覚めた。

深澤の膝に頭を載せ、身体にはブランケット。

慌てて起き上がり、深澤をソファにそのまま寝かせる。

岩本ー頭がスッキリしてる。

原因は分からなかったけど、眠気はなくなった。シャワー浴びて、深澤の様子を見る。

腰が痛いんじゃないだろうか。

スケジュールを見て、ギリギリまで寝かせておく。

朝食を作っていると、深澤が起きて来た。まだ寝足りない感じだが、アラームに起こされている。

岩本ー辰哉、おはよう。

深澤ーおはよ。

岩本ー昨夜は、悪かったな。

深澤ー今は？

岩本ースッキリしてる。

深澤ー疲れてたのかな？

岩本ー何もしてないけど。

深澤ー今日の夜も心配だから、来る。

シャワーを浴びに行きながらそう言う。2人で朝食を摂り、それぞれの仕事に向かう。

この日は、深澤が先に帰って来た。

撮影現場では、軽い緊張状態が続いている。帰ってきて、「はぁ〜」とソファに倒れ込む。

岩本ー帰ってたのか？

深澤ーお腹空いた、眠気は？

岩本ーすぐ作る。今のところ大丈夫。

今日は、眠くないみたいだ。

深澤は安心して、岩本に抱きついている。

優しいキス。昨日の分も込めてキス。

岩本ー辰哉・・。

深澤ー心配させるな。

岩本ー俺のせい？

深澤ー分からんな。

岩本ーじゃあ、やめる？

深澤ーばか、なんとかして。

岩本ーもう、熱くなってる。

深澤ーマッサージ付きな。

岩本ーここ、いいか？

深澤ーはぁ・・はぁ・・いい。

深澤ーはぁ・・がまんできない・・照・・。

岩本ー我慢しなくていい。

深澤ーはぁはぁ・・んっんっ・・はぁ・・。

深澤ーだめ・・もたない・・はぁ・・はぁ・・もう・・はぁはぁ。

原因は分からなかったけど、岩本は、あれから眠くて仕方ないことはない。

それでも、深澤は、心配だからと、泊まって帰る日が増えた。