テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「つまり、白銀たちがお前を助けたと。」
「うん…私を助けるために命を捨てるって…。私のせいで…。」
「お前が悪いんじゃない。自分を責めるな。それに…あいつらはお前を助けたくてその道を選んだ。花月が自分を責めれば責めるほど、あいつらを否定することになるんだぞ。そんなの誰も望んでない。」
それなら…私はどうすればいい…?彼らの屋敷に戻る…?輝石くんたちを助けに行く…?
私が進むべき道は何…?
「花月、手を出せ。」
「え…?」
「いいから。」
両手を前に差し出すと手のひらに置かれたロケットペンダント。
「お前にやる。俺のお守り。」
「これ、劉磨さんのなの…?ハート型だなんて女の子みたい。」
「笑うなよ、これ昔柚からもらったんだよ。ロケットの中に柚の写真も入ってる。」
ペンダントのおかげで少し元気が出た。劉磨さん、私を励ましてくれたのかな…?
そういえば、柚さんてどんな人なんだろう。話だけしか聞いてなくて顔を見たこともなかった。
私は興味本位でロケットを開けてしまった。
「え…?」
「どうかしたか…?」
そこに入っていた写真の顔には見覚えがあった。そう…彼女は向こうの屋敷にいた…
「キズ…さん…?」
「…?」
「だって、この人…。」
《もし私の存在を誰かに言ったら私が貴女を殺しちゃうから。》
「ごめん、なんでもない……。」
そうだ…もし言ったらまた誰かを巻き込んでしまうかもしれない。
「何かあったら俺らに言えよ。力になるから。」
「うん…ありがとう。」
劉磨さん、ごめんね…。
劉磨さんに…みんなにまた秘密ができてしまった。
1つはキズさんに脅されていること。
もう1つは柚さんがキズさんであること。