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うおおお見るのが遅れました(т-т) オリキャラあんま初期の子以外分かってないからあんまりだけどすき。語彙力なくてごめんなさいめちゃすこ
お風呂に入った後はとりあえず体が疲れていたのでその日は一旦眠った
多分警察がすぐに来なかったのは誰も悲鳴をあげなかった事と、日常的に男が大声をあげて暴力を振るっていたからだと思う
だからいつもと何も変わっていないと思って、周りの家の人間は通報しなかった
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翌日、僕たちは初めてのんびりとした朝食の時間を過ごしていた
今まではいつも男と女が怒鳴りあってうるさかったし、そもそもご飯すら貰えない状況だった
「おいしいね、ルーチェ!」
「うん!
それにいっぱいたべられてすっごいしあわせ!」
久しぶりに見たお互いの笑顔
それだけで僕は、満たされた気持ちになった
ご飯を食べながらこの先の事を2人で考える
「このひとたちしんじゃったからたぶんしばらくしたらけいさつがくるよね」
「たぶんね、だからはやめにこのいえをでないと」
「まだあさでじかんがはやいからひともいないだろうし、ごはんたべおわったらでる?」
「うん、そうしよう
あ、でもそのまえにできるだけごはんとみずをもてるようにしなきゃ」
「さがせばかばんとかあるだろうし、そこにいれるだけいれてもっていこう」
「うん、じゃあそうしよう!」
そうして僕たちはせっせと食料と水を鞄に詰めるだけ詰めてから家を出た
初めて外に出たのもあって、僕たちは子供らしい笑顔で走っていた
「こんなふうにはしったのはじめて!
すっごいたのしい!」
「ほんとだ!
すっごいたのしいね!」
2人で笑いながらしばらく走っていく
路地裏あたりについたとき、やけに大きく猫の声が聞こえた
「なぁん」
初めて見たから物珍しくて、その黒猫に近づいて軽く触る
「わぁ~ふわふわだ!」
「すごいやわらかい!」
撫でられるのが気持ちいいのか、猫はゴロゴロと喉を鳴らす
僕たちはもっと触りたかったけど、猫はするりと僕たちの手を抜けてまた鳴いた
「にゃあん」
そして僕たちについてこい、と言いたげに軽く尻尾を揺らしながら歩き出した
2人で一旦目を合わせたけれど、僕たちには特にする事も目標もなかったのでその猫について行くことにした
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「ここどこだろう?
だいぶあるいたけど……」
「けっこうまちからはなれたね」
しばらく猫についたまま歩いていると、大分街から離れた所まで来ていた
街から離れすぎると不便だな、と思っていると意識を引き戻すように再び猫が鳴いた
「なあん」
何だか不思議な雰囲気だな、とふと思った
この猫には、何か目を離せない何かがあると思う
これといった理由はなかったけれど、確証はあった
またしばらく歩いていると1軒の家を見つけた
街から離れた、森の中に佇む家
人がいない空き家かと思ったが、近くから人の気配を感じた
(ひとり……いやふたり?
わかんないや)
家の前につくと猫はその場に座り込んでしまった
まるでここが目的地と言わんばかりだ
2人でお互いを見合っていると家の扉が開いた
「………あら、子供? 」
中からは若い女が出てきて、咄嗟に僕たちは家から離れようと走った
「待って!
子供だけじゃ、この森は危険よ!」
「それに貴方たち、凄いボロボロじゃない
手当てしてあげるから、一旦家においで?」
聞いたこともない優しげな声で話しかけられたので、思わず足を止めてしまった
「………どうする?」
「……てきいは……ないとおもうし……けがのてあてだけ……してもらう?」
僕たちは女の人に聞こえないようにひそひそと小声で話す
女の人はずっと心配そうにこちらを見ていた
「……とりあえず、はなしだけでもしてみよっか」
そう結論づけ、ゆっくりと女の人に近づいていく
そうすると女の人はぱぁっと顔を輝かせて、嬉しそうに微笑んだ
「ありがとう、私の話を聞いてくれて
あんまり何も無い家だけどゆっくりしていってね」
女の人はそう言って僕たちを家の中に招いた
恐る恐る家の中に入るとそこには僕たちの家とは全然違う光景が広がっていた
ふわふわのカーペット、暖かそうな暖炉、綺麗に揃えられた家具
全てが今までと違いすぎて思わず僕たちは固まってしまった
「そうだ、まだ名前を聞いてなかったね」
女の人は思い出したように話し始めた
「私の名前、リーベっていうの
貴方たちの名前は?」
「……フォンセ」
「……ルーチェ」
「フォンセとルーチェね
ふふ、よろしくね」
そう微笑んで女の人は僕たちの頭を撫でた
手を伸ばされた瞬間殴られると思って強ばった体が、優しい手つきによって絆されていく
(………なんだろう)
(はじめての……かんかくだ)
その初めての感覚が何だか心地よくて、僕たちはそのまま女の人にされるがままにされていた