テラーノベル
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💙「で?」
阿部と康二とふっかと撮影した動画を翔太と一緒に見た、んだけどその後から翔太の機嫌が悪くなった。
見終わった直後の第一声がさっきの一言だ。
💛「で、って?」
💙「どんな気持ちで俺に見せたんだよコレ」
💛「え?別に何も」
💙「もういい」
普通にグループの動画見ただけだろ、と思うのに大した説明もなく翔太は夏用に変えた冷感の真っ白ブランケットを頭からかぶり、冷やし大福になってしまった。
💛「何だよ急に」
💙「知らん」
声をかけてみるけど顔も出さずに『知らん』の一点張り。撫でようとしたら払い除けられた。まぁそうなるだろうとは思ってたけど。
💛「なんなの、言わなきゃわかんないじゃん」
そう言ってみたけど丸まったまま返事もないので、とりあえずしばらくそっとしておこうと洗い物をしている間に大福のまま寝ていた。
ベッドに運ぼうとしたら起きて、よだれつけたまま『帰れ』と言い出してそのまままた大福に戻ってしまった。
💛「なに、ほんとに」
🩷「お前らどんだけ付き合ってんだよ、なーーんもわかってねぇなぁ」
一夜明け、今日は大事な日なのに翔太はヘソを曲げたままでメッセージの返信もない。
たまたま連絡をくれた佐久間に昨日の話をしたら鼻で笑われた。
💛「なに」
🩷「うちの涼太もだけど、翔太もちゃんと言えない性格なのわかってんだろ」
💛「それはそうだけど…」
🩷「お前がさぁ、阿部ちゃんに長年の関係が〜なんて言ったからヤキモチ妬いてんだよ翔太」
💛「あ、そういう……」
みんなに対して同じように思っているから言ったんだけど、佐久間が言うには翔太が意識しそうなワードらしい。
🩷「ちょっと先回りしてお前だけだって言ってやるくらいでいいんだよ、俺最近それで涼太怒らせた事ねぇし」
💛「ふーん…」
佐久間と舘さんも付き合ってるけど、俺たちより歴は短いのに安定してる感じがある。
そういうことか、と思いながら佐久間に御礼を言って別れ、1つ用事を済ませてから翔太の家に向かった。
鍵は持っているけど、俺が連絡なく来る事を予測していたんだろうか。なんとドアにチェーンをかけている。
電話をすると不機嫌な声が応答した。
💙『会いたくないもん』
💛「昨日のこと謝りに来たから」
電話口でそう言うと少しして玄関のチェーンが外され、中では渋々といった様子の翔太がこっちを睨んでいた。
💛「翔太おいで」
💙「ヤダ、照が来い」
フイと背を向けリビングに向かおうとする翔太を後ろから抱きしめる。
💙「離せ」
💛「聞いて」
💙「なに」
💛「ごめんな、嫌だったよな。阿部には立ち回りでわかるって言って、お前には言わなきゃわからないなんて」
翔太は黙ったままだけど、抵抗しようと強張っていた身体からは力が抜けた。
💙「照のバカ」
💛「俺がバカでした」
そこまで言うとやっとこっちを向いて、頭を擦り付けるようにして埋もれてきた。
💙「バカ、照マジでバカ」
💛「ごめんって」
来いからの離せからのバカ。
冷静になるとめちゃくちゃな事を言われてるんだけど、これで翔太の思いがわかるから我ながら不思議だ。
💛「そんな顔すんな」
💙「むぅ…」
💛「今日お祝いだろ、 ケーキ買ってきた。食べよう?」
💙「ふん」
むくれた顔から戻り時を見失っている翔太の尖った唇を素早く奪って顔を見ると、目を真ん丸くして唇が薄く開いてポカンとしている。
可愛くて可愛くて、思わず笑ってしまう。
💛「ほら」
💙「うわっ」
相変わらず軽々持ち上がる細い身体を大切に抱きしめてリビングへ。
おずおずと首に手を回してくっつく翔太の背中をぽんぽんと撫でた。
💙「おいケーキ崩れてんじゃん!」
💛「翔太抱っこした時に箱が揺れました」
💙「バカ!」
終
コメント
14件
可愛くて可愛くて胸がキュッとなる。済ませた用事はケーキだよね🍰愛が強くて苦しい。男前!!!💛これ以上可愛いしょぴ💙書けねぇよぉ、、、
やーーーんかわいいーーーー💛💙