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夕方。
涙と告白のあと、
俺たちは少しぎこちないまま帰り道を歩いてた。
「……なぁ、今日……俺ん家、来る?」
勇気を振り絞って言ったら、
若井は一瞬驚いた顔をしたけど、
すぐに口角を上げた。
「……行く」
親は出張でいなくて、家は静かだった。
玄関を上がった瞬間から、胸がどきどきして仕方ない。
俺の部屋に入った若井は、ギターを見つけて手に取る。
「……お前らしいな」
「や、やめろよ……」
恥ずかしさで頬が熱くなる。
気づけばベッドの端に並んで座ってて、
互いの肩が触れ合う距離。沈黙が苦しい。
「……元貴」
名前を呼ばれただけで胸が震えた。
顔を向けた瞬間、若井の唇が近づいてきて、重なる。
一度じゃなくて、何度も。
深く、長く。息が苦しいのに、離れたくない。
「……もう、我慢できねぇ」若井の声が低く掠れて、
背中に回された手が強く抱き寄せてくる。
ベッドに押し倒されて、見上げる視線の先には真剣な瞳。
「……いい?」
耳元で囁かれて、全身が熱に包まれる。
返事をしようとした声は震えて、けどはっきりと出た。
「……若井なら、いい……」
唇が再び重なって、今度は逃げ場がなかった。
震える身体を若井の温度が包んでいく。
静まり返った俺の部屋。
外からは虫の声だけが聞こえていた。
「……元貴」
若井の声は低くて、どこか切羽詰まったようで。
見上げる俺の胸がぎゅっと締めつけられる。
「さっきからずっと……お前に触れてたい」
囁きと同時に、俺の唇はまた塞がれて、
熱くて甘い息が混ざる。
背中を撫でる手が迷いなく腰に回ってきて、
布越しに体温が伝わる。ぞくりと震えた。
「……や、若井……」
声にならない声を零すと、
若井は苦しげに笑って、
「もう我慢できない」って告げる。
ベッドに深く沈んで、身体を覆いかぶされる。
俺の手を握ったまま、何度も何度もキスを重ねられて、
抵抗なんてとっくになくなってた。
「……ほんとに、いいんだな?」
問いかけられて、震えながらも首を縦に振った。
「若井が……いい。若井がいいんだ」
涙が浮かんでるのに、笑えてた。
その言葉を聞いた瞬間、若井の目が熱を帯びて、
もうためらわずに俺を抱きしめてくる。
指先が頬から首筋、胸元へと滑って、
全身が若井の温度で支配されていく。
キスは深く、長く、途切れるたびに
「好きだ」「元貴」って声が落ちてきて、
その度に心臓が爆発しそうだった。
夜は果てしなく長く、そして甘かった。
何度も抱きしめられて、
何度も「好きだ」って言われて、
その度に俺も「好き」って返して。
痛みよりも圧倒的な幸福感に包まれて、
気づけば若井の腕の中で泣きながら眠りについてた。
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分かってるんですよ。
もっとえっちいシーン書きたいんですよ。
でも無理なんですよ。ごめんなさい。