自分があんな提案をしたのはその方が楽だから?
丸く収まるから?
違う。
昨夜のことを想起していると勢いよくドアが開き、胸ぐらを掴まれた。
「な、なんです?」
「とぼけんな… 」
「なんで日本にあんなことした?」
「それは…」
「まさか好奇心半分じゃないだろうな…」
「私にだって考えはあるんですよ!」
日本をイギリスに売ったのには訳がある。
というよりこれはアメリカのしっぺ返しな気もする。
「俺が日本の国債を返す」
「できません」
「条件は?」
「………それはあなたの報いですよ」
「なに?」
「ロシアへの経済制裁を止めてくたさい」
「!」
「ウクライナへの支援もです 」
「今トルコが仲介して止めようとしてます」
「………」
「あなたは利権のために必ず割り込むはず」
「ふざけんな!!💢」
こうなることはとうにわかっていた。
それは手を引くという意味だけでなく、ロシアへの敗北というサインも含意している。
世界の警察としてそれは絶対にできない。
積み上げてきたものを壊すのだから。
でもこれは全てアメリカの行動から生まれた報い。
こうすればウクライナとロシアのいざこざもなんとかなると思ったが故に日本をイギリスに売ったのだ。
イギリスがあの場にいたことは偶然だったが事はうまくいった。
「この条件をのむなら日本さんの債務を委嘱します」
「………」
無言のまま部屋を後にした。
申し訳ないとも思っている反面、これまでの過ちの尻拭いだと思えば相当なものだとあくまでも自分の行動を正当化した。
これ程の正念場は初めてかもしれない。
「……………」
あの場に俺がいたらあんなことにはならなかったかもしれない。
いやあいつを独占できた。
………こんな考えだからあいつは俺を選ばなかったのか?
かといって国連の条件をのむことは到底できない。
「………」
どうしたらあいつを親父から奪い返せる?
もう手段は選んでられない。
親父は必ずなにか企んでる。
「くそ!!」
「………それから産業のデータを、 」
「これです」
「よしできました」
「これで経済関連のことは済みましたね」
今私はイギリスさんにこちらの情報を共有している。
経済に限らず、軍事やら政治やら何から何まで共有した。
「これで全部です」
そう言うと腰に手を添えながら体を引き寄せられる。
「これでいつも一緒ですね♡」
「そ、そうですね 」
「心配しないでください」
「すぐに独立させますよ♪」
体に電気が走った。
聞き間違えじゃない。
確かに聞こえた。
「本当ですか?!」
「はい♪最初からそのつもりでした」
「ありがとうございます!」
嬉しさの余り自分から抱きついてしまった。
イギリスさんは頭を撫でてくれてたが不快でないか心配だった。
「私は国連さんに用があるのでここで待っていてください」
「分かりました」
カツカツと足音が回りに響く。
無心で歩いているせいか尚更大きく聞こえる。
「ふふ♡」
「(アメリカがすることなんてたかがしれてますよ) 」
私は既に次のその次の手を考えている。
目先の利益ばかり考えているあなたでは追い付けませんよ。
「失礼します」
見ると頭を抱えながらブツブツと独り言に沈んでいる国連が座っている。
「どうしました?」
「アメリカさんに条件を述べたんです」
「それで?」
「激怒されて部屋を出て行きました 」
それでも条件を伝えたらしく、向こうの出方次第では戦争が終わるかもしれないとわずかな希望を抱いている。
次の国連での会議も近い。
「中国さんも最近暴れてるし……」
「その事ですが…」
「?」
「日本さんの所に国連の支部を作りませんか?」
「…………」
長いことイギリスさんを待っているが一向に来る気配がない。
「イギリスさん遅いなぁ」
「ん?このバッジは…」
薔薇のような綺麗な形をしている。
確か紋章が薔薇同士の家が合併した時に作られたものだ。
「(付けちゃお♪)」
付け終えた時コンコンとドアがノックされた。
「イギリスさん、遅かった……」
「日本?なんでイギリスの部屋にいるの?」
私の前にいたのはイギリスさんではなく、
フランスさんだった。
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コメント
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ママ結婚しよ(っ ´-` c)ママ〜
フランス登場だァ🇫🇷これはフランスとイギリスの取り合いに
( ´・֊・` )フヘヘ