最後の日記。
恐らくこれが最後のページになると問う。
ここは静かで、少しだけ血の匂いがする。
かすかに甘い匂いがする。
ケーキでも、花の匂いでの無い、
春の午後みたいな匂い、
…変だよね。
パパ、泣いた顔、ブサイクってちゃんと伝えれたよね、だからこれからは笑ってよね、
私は笑えたよ、泣きながらだけどね、あの時は私、ちょっとだけ「ちゃんとした娘」になれた気がするよ
たくさん怖かった、たくさん傷ついた。
でも最後まで「誰かを恨まずに」いられた。
それはきっと途中で探しに来てくれたから、
ありがとう、ママにも会えるかな、
もし会えたらケーキの話をしよう。
だから怖くない、小さな夢に希望をのせるから。
そろそろ行かなきゃ、
さようなら、そしてまたいつか。今度は血の匂いじゃなくて春の午後みたいな匂いで、ね。
エスターより愛をこめ。
列で並びながらそっと目を閉じた。
ケーキを切る音、
パパの笑い声、
ママが鼻歌を歌ってた夕方の台所。
リボンを結ぶ時のくすぐった感触
私の中の小さな世界が胸の中で広がって甘い味なる。
前の人が足を止める
私はほんの少しだけ空を見上げる。
隙間から小さな光が差してる。
それはまるで誰かのあたたかい手みたいだった
「…またね、」
小さく呟き前に一歩出る
誰にも聞こえない声だけど パパとママには届いてると思う。
ドアが閉まり希望の光も何もかもが消える。
でも私は笑う。
幸せな日々を思い出してるから。
また会う日まで笑って過ごすの泣かずに笑う。でもパパ達にあったら思いっきり泣くの。
そして「よく頑張ったな」「おかえり」って言ってもらうの。
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