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暗い地下、僕は照れながらも落ち着こうと、ロウソクに火を灯して本を取りだし。ベッドへとダイブをした。全く、濃い一日だった。しかし、きっとこれも夢なのであろう。起きたら全てなかったことに……。そう思いながら。
「はぁ、なんであんな変態王子に求婚されてるんだよ僕は」
とついつい愚痴をこぼしてしまう。そうして1日疲れていたのか思まぶたがそっと目を閉じ、チュンチュンという音で目が覚める。いつの間にか寝ていたようだ。
「ん……朝か……」
と腑抜けた声でベッドから重たい体を無理やり起こしながら朝の光に目をならし、目を擦りながら。昨日のことを夢だと思い
「昨日は変な夢を見た」
と言おうと見たまでいいかけた時、何やらベッドが少し傾いていた。いや、というか布団か?と隣を見ると
「夢じゃないよ〜?」
と王子の姿がいた。なぜ事男がいる?いや、そんなことを考えている場合ではない。この男、殺すか?いや!国王の息子、殺しては母上や父上に申し訳ない。というか、多分殺したらまずい。どうする……そう考えいると口はいつの間にか
「……不法侵入だぞ」
と不機嫌そうに言ってた。なんで僕はこんな時にまで呪いが発動してんだ僕はァ!!!僕は心の中の声とは裏腹に顔はきっと不服そうな顔のままだ。どうにかして弁明したいのに王子がすっごく嬉しそうな顔で
「それに!君の寝顔はあいくるしい」
と言いたいのでろう、僕は照れすぎて、あいくるしいを言い切る前に殴ってしまった。ヒデブッ と汚い声を発する王子に戸惑いつつもベッドからおり、手を握りしめたまま必死に僕は
「それ以上言うな闇魔法で殺しかねない」
と恐らく外面はキレながら言っているのだろう、本当は照れているだけで、怒ってなどいない。なのに、僕はどうしていつもこんなっ……。そう思いながら俯いていると。王子は僕の俯いた視線の先に跪き、胸元に手を置き敬意を示して。
「君に殺されるなら本望だ」
と今までに見たことの無い真剣な表情でこちらを見つめて来る。ダメだこの男の前だとどうにも調子が狂う。呪いが発動しやすい。ダメだ。だけど、その発言は……。……変態だ。
「ところで君の寝間着とてもえっ……」
「それ以上言うなぁ!!!」
と王子であるまじき発言をするこいつをやはり僕は嫌いだ。ダメだ。やはりこいつの婚約者になるなど僕は生理的に受け付けない。すると、王子は少し不機嫌そうな……ちょっと呆れたような顔で「そうそう」と続け。
「君は今日から僕と彼女たちと暮らすんだ」
と最後にハートマークがついてそうな口調で言ってきた。ダメだ。やはりこいつは敵か……。殺すか?などと再び頭の中で自問自答を繰り返していると。王子は一枚の紙を見せてきた。そこには思いもよらない。ことが書かれていた。僕はさすがにこれは嘘だと聞くと。「嘘じゃないよ?」とサラッとした顔で言われてしまった。ダメだこの男、確実に僕を本気で奪おうとしている……このままでは、僕の地下生活が台無しになってしまう。そうだ、いっそここで首を吊って死んでしまおう。こいつが来るよりも早く来て。そしてこいつが見たら、きっと女たらしなどもうできない!こいつがほかの女の元へ行くなども!ん?ほかの女の元へ行く?……ともかく!これでトラウマになり、女たらしもしないはず!!!さて、問題はこの男が何時に来ているかだ。
それから僕は時間をずらして起きていた。……まさか!夜中の2時頃から居たとは、そう思い30分前に起きてロープの準備をし、いざ首を吊ろうと。椅子の上に立ち、ロープに首をかけたところで椅子を蹴ろうとした途端、扉が空いた。そこには、驚きのあまり目尻に涙を溜め呆気としている王子の姿が。そして僕は構わず椅子を蹴ろうとすると、王子は普段握らない剣を取り出し。ロープを切った。そして落ちてくる僕を受け止め、押し倒す形になってしまった。王子は、僕の胸元の角度で目を瞑りながら伏せていると。急に怒った顔になった、初めて見る顔だ。
「死にたいのかっ!!!」
と取り乱している王子に僕は驚いてしまった。王子がこんなことで取り乱す……???なぜ???だって
「だって王子にはもう何人も彼女さんがいて僕なんてその中の1人に過ぎない……」
と僕でも意味のわからないことを言っていると。驚いた表情で、なにか意味のわからないことを言われたような顔で。「は?僕に彼女?」と心当たりがないのか、僕の顔を見つめる。僕は
「え?僕と彼女たちと暮らしてもらうって……」
と、少し自信なさげに言う僕は自分のそういう所が嫌いだと自覚していた。王子は「は?」と言うと。少しためいきをつきながら、僕の顔をじっと見つめ
「それはメイドのことだよ?」
と言っていた。僕は早とちりをしていたようだ。急に恥ずかしくなってくる。ロウソクの火が今にも消えそうな中。僕は顔が真っ赤になっていた。王子はそんな僕を見て真っ赤になっていた。やはりこの王子は純粋だ。でも少し、意地悪な顔になり
「嫉妬?可愛いね」
と言われてしまった。ダメだ、やっぱり……変態だ。と心の中で笑いながら思ってしまった。そして部屋には顔を引っぱたく音が響く。やはり、この人には敵わない。