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夏。
バスケ部の試合。
結は朝からずっと迷っていた。
行きたい。
でも、先輩は私のことを知らない。
正確には――
「名前だけ知っている」
そんな関係だった。
スマホを見ると、ごうきからLINEがきていた。
ごうき「今日試合あるけど来るん? 」
結は少し悩んでから返信する。
結「どうしようかな」
ごうき「行きたいならこればいいやん」
「ひろむも応援来てくれる人おったら嬉しいと思うで」
結はその文章を見て少し笑った。
ごうきはいつもこうだった。
結が悩んでいると背中を押してくれる。
優しい。
だからこそ、結はまだ知らなかった。
ごうきの気持ちを。
結は帽子を深くかぶり、マスクをつけて体育館へ向かった。
結は顔を見られるのが少し恥ずかしかった。
ひろむ先輩に会うためというより、
ただ頑張っている姿を見たかった。
体育館に着くと、試合が始まった。
コートの中にいるひろむ。
真剣な表情。
仲間に声をかける姿。
ミスした後輩にすぐ気づく姿。
結はずっと目で追っていた。
試合中、1年生の後輩がミスをしてしまった。
後輩「すみません…」
ひろむ「大丈夫」
後輩「でも俺のせいで……」
ひろむ「そんなことない」
「さっきのプレー、よかったところもあったよ」
後輩「ほんとですか」
ひろむ「うん」
「次はそこをもっと伸ばしたらいいと思う」
後輩「ありがとうございます」
ひろむ「頑張ろ」
その姿を見て、結は思った。
結(やっぱり好きだな)
プレーがかっこいいだけじゃない。
人のことをちゃんと見てる。
そういうところが好きだった。
試合後。
バスケ部の仲間たちが話していた。
バスケ仲間「ごうき」
ごうき「ん?」
バスケ部仲間「あそこにいる子、だれ?」
ごうきが振り向く。
帽子とマスクをしている結。
ごうきはすぐに分かった。
結だ。
少し嬉しくなる。
でも同時に、少し胸が痛んだ。
結がここにいる理由を知っているから。
自分ではなく、ひろむを見るために来ていることを。
ごうき「結」
バスケ部仲間「え?」
ごうき「ひろむ目当てで来たらしいよ」
その言葉を聞いたひろむが振り向いた。
ひろむ「え、俺??」
ごうき「らしいよ」
ひろむ「…名前は?」
ごうき「結だよ」
ひろむ「結…」
ひろむはその名前を覚えた。
でも、顔はわからない。
帽子とマスクで隠れた姿。
わかるのは名前だけ。
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#学園
大正
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コメント
1件
うわあ、第4話めっちゃ良かった…!結の「行きたいけど迷う」気持ち、すごく分かる。ごうきのさりげない背中の押し方、優しすぎるでしょ。そしてひろむ先輩の後輩への声かけ、あれで結が「やっぱり好きだな」って思うの、納得すぎる。名前だけ知ってる関係、これからどう動くんだろう。続き気になる🔥