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「久しぶりだな」
とある森林のさらに奥、幽霊や災いが起きやすいという深森。その深く、地面は光の一筋も通らない場所には墓があり、その墓の前に立って話しかけている黒兎隊先生の白兎が居た
黒兎隊のボス、赤兎曰く…白兎の遅刻癖はとある大切にしていた仲間が目の前で殺されてからだと言う。その仲間を赤兎は知らないがあの白兎がここまで落ち込むほどに情があるものなんて早々ないということである程度の遅刻を許されているらしい。
「弱くてごめんな。情けなくて、何も出来なくてごめん。せめても、我々の目的を果たすまでは見ていてくれ。」
今日も太陽が綺麗なのにも関わらず深森は暗く生き物1匹も居ないほどに静寂に包まれていた
『ねぇねぇ、キミ達が乱太郎くんきり丸くんしんベヱくん?』昼頃、終焉の谷から帰ってきた赤兎がこの世界の主人公に話しかけていた
「は、はい!私たちが1年は組の」
『ありがとうね。乱太郎くんきり丸くんしんベヱくん』
「え?どういう意味っすか」
『じゃあ!明日お仕事だから、黒兎隊そろそろ帰るよ〜』
「はーいですぅ!」
『ありゃ?他のみんなは??』
「え?みんなお仕事ですよぉ?」
『誰がお仕事?』
「えーっと、三鳥、先生、黄兎さん、紺兎さんですぅ!」
『あれ?あと一人居なかったっけ??』
「え〜?居ましたっけ?」
『確か…アリと?』
「いや、アメと?」
「「「蒼兎さんじゃないですか??」」」
「蒼兎だよぉ…ありがとうね、1年は組の良い子さん達…」
『ん!そうだったね!じゃあ揃ったしさようならするよ〜』
「はぁい!」
「承知…」
『良い子の諸君!さよ〜なら〜 』
『黒兎隊表組の諸君!よく裏組会議に来てくれたね〜!』黒兎隊本拠地で会議として全員集合命令(任意)がくだされた
「裏組会議って表組や黒兎隊全体会議よりも重い空気なんですかぁ?」
「コケ…」
「アカマルの元気が失われている…」
「あんたアカマルの保護者か何かなの?」
「ケヒヒッ裏組会議と知ってまで来るなんて怖いもの知らずだなァ」
「そういうお年頃…若いっていいねほんと」 「紺兎殿……若者は未来の可能性、大切なものでござろう?」
「……」
『さて、表組には黒兎隊の目的ってどうなのか聞いてる?』
「は、はい。”腐った世界を救う”と伝わっています」
『ん!あってるね。じゃあその計画を教えてあげるよ。その前に…それぞれ素性を隠すように黒兎隊に入れる前に個々で教えてたよね?素性をそれぞれ紹介した方が早いよ。この計画の説明は。性格も元のでいいから三鳥からね』
突然のカミングアウトで固まる黒兎隊。実を言えば、黒兎隊初期メンバー以外はそのことを知らなかった。初期メンバーはボス、先生と博士と……まぁ今はその3人。それ以外はその情報ですら知りえなかった
「…黒兎隊三鳥、明出身の孔雀、月夜。羽が…神の監視や全知の力を持っている」
「黒兎隊三鳥、アイヌ出身のシロフクロウ、黎明。普通の梟と違って日中でも行動できて…矢羽根の解読が得意ですね…」
「コココッ黒兎隊三鳥、伝説の魔鳥ヒザマ、アカマル。火が操れて声真似が得意」
黒兎隊初期メンバー以外と三鳥が互いに絶句している。それはそうだろう。何故ならば二頭は神の所業に等しく、そこらにいる梟が突然忍者特有の暗号を掻き乱すなんて想像しただけで脅威だ。
「拙者は○○城元暗殺兵で抜け忍の蒼兎でござる。周囲には利用されるだけ利用されて捨てられたところにボスが拾ってくださった。人間」
○○城と言えば約10年前に正体不明の集団によって滅んだタソガレドキよりも強い城だ。
「俺は××城で虐められ嘘つきと称され囮として捨てられた捨て駒だ。ボスが拾ってくれたがな…紺兎。人間だ」
××城といえば十数年前に戦でやられた情報戦が強かった城。恐らく情報戦が強い紺兎によって生きながらえていたが紺兎が居なくてもいい状況になった途端手のひらを返して捨てたのだろうと黒兎隊の心が揃った
「ボクですねぇ…ボクはタヌキによって、親を殺された化け兎の緑兎ですぅ!一応外国に売られそうになった商品ですねぇ」
元気よく言った緑兎。ただし内容は重い。
「次は裏組だなァ…オレは月から家族と共に来て人間に家族が殺されるのを黙って見ていた弱虫。オレ能力しか見ないやつはダイッキライだ。ツキウサギ、黄兎だヨ」
ツキウサギ?と初期メンバー以外は思ったがボスが後で説明するとの事で静かになった
「…仲間と共にここに来た。仲間を見せしめに殺されたツキウサギ、白兎」
白兎の遅刻癖理由を追加でボスが教えたら空気が重くなった。特に三鳥の
『俺は赤兎。ツキウサギとして人間を救うために来た……まぁ、共になった人間はみな死んだからな。共になるだけでは、救えない。ならば現実からの脱却を、拒む者には痛みを与える為に黒兎隊を作り上げた。質問はあるか?』
「ボス、ツキウサギってなんですかぁ?」
『簡単にお前のようなうさぎとツキウサギの違いを教えてやる。ツキウサギはうさぎと違い、能力がありその能力にも個体差がある。 我らは人間を長い間見ていた。人間は恐れ憎しみ負の連鎖を続けている。ならば、ツキウサギが手を貸し負の連鎖を断ち切ろうとして来た。が、このザマだ。ツキウサギには特性がある。それは存在する生物に取り付くことでその生物の主導権を握れる。主導権を奪われた生物は永遠の夢を見れるという訳だ。だからこの地球にツキウサギを集める術をする必要がある。それにはツキウサギが4匹必要だ』
「最後の1匹に宛はあるのか?」
「ケヒヒヒッそれならあるぜぇ?黒兎隊初期メンバーの”むう”が人間の主導権をにぎりゃいい話だ」
「主導権を握る…むう殿?はどちらに」
「おいおい、オマエら最近の忍術学園重大事件があったろ?」
「博士それは…ドクタケ軍師、天鬼のことであろう?それがこの計画となんの関係が?」
『…天鬼いや、土井半助は月に主導権を奪われ記憶を失い、天鬼になった。ならば、次の満月…明日はむうが天鬼となって現れるだろう』
「むうさんが…私たちはそのお出迎えをすればよろしいのでしょうか?」
『そうだな。三鳥、白兎。貴様らがむうを連れてこい。世界を救うぞ』
「「「はい!」」」
「…了解」