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くろぬか
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柘榴とAI

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#没入感フィクション
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その日、私たちは浮石採掘坑に向かった。
「浮石採掘坑は、浮石と呼ばれる石を採掘していた遺跡だ。
まぁ、もっとも、今となってはその産業は廃れてしまっているんだが…」
ゼファーは歩きながら話す。
「へぇ…
なぜ、廃れたの?」
「この世界には、38つの空島があるのは知ってるよね?
もともとは、浮石を採掘して、新たな人工島を作り出そうとしていたんだ。
だけど、浮石は空気に触れると途端に力を失ってしまうのさ。
それで、みんな諦めたってわけ。」
「ふぅん、ゲームの中なのに、バックボーンがあるんだね。」
「それについて、まだ早いと思っていたが、マリス、君に言わなくちゃならない事がある…」
銀色の瞳が少し揺れながら私を捉える。
「な、なに?」
私は少しだけ目を逸らした。
「おかしいと思った事は無いかい?
ここ、ゲームの中にしては出来すぎているんだ。」
「え、えーと…
ごめん、言ってる意味が…」
何のことだかわからない。
「マリス、NPCはね、決まった言葉を話すだけじゃ無いんだ。
彼らは普通に会話できる。
彼ら自身一人一人にさえ、バックボーンはある。」
「えぇ?
そんな馬鹿な事…!」
「でも、あるんだよ。
つまり、ここで、ある仮定が浮かぶ。
ここは、作られたゲームの世界じゃなくて…
異世界…
そう、異世界なんじゃ無いか?って…」
「!!!
そんな…!
じゃあ私たちは異世界に居て、異世界の人たちと話してるって事!?」
「その可能性ははっきり言って高い…
さぁ、着いたよ。
集中しよう。」
ゼファーは前を向いて言った。
そんな…
ここが異世界…!?
私たちは違う世界に転移したと言うの!?
私の頭の中はまだこんがらがっていた。
浮石採掘坑は、岩が無数に浮いていた。
私が一歩採掘坑の中に足を踏み入れると、私の身体もぐらりと浮いた。
「きゃあっ!」
「大丈夫か?」
ゼファーが私の手を掴まえる。
ゼファーは普通に浮いており、均衡を保っているが、私は逆さまになったり、横向いたり、とても前へ進めない。
見かねたゼファーが私を抱える。
「あ、ありがとう…」
「いいえ、お姫様。笑」
揶揄うように言われた。
ゼファーは私を抱えると、浮石を蹴りながら、空中を軽やかに進んでいく。
天地神の職業を持つ彼にとっては、浮遊の効果など、プラスになるだけらしい。
モンスターが現れても、ゼファーは無視して次の浮石に飛び移り先に進んだ。
「さて、ボス戦だ。
今日は僕がやろう。」
ボスは、浮石ゴーレムだ。
お互い浮いたところからスタートした。
コメント
1件
第20話、読み終えました! 「ここ、異世界なんじゃないか?」ってゼファーが言い出した場面、すごくドキドキしました。ゲームっぽい世界観が一気に深みを帯びて、これからの展開が気になりすぎます。 浮石のエリアでゼファーがマリスを抱えるシーン、お姫様扱いされて照れる感じが可愛くて、思わずにやけました笑 バトル前の空気もいいですね。次が楽しみです!