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コメント
3件
うわ、すごく静かに始まったのに、最後の「友だちっていますか?」でぞわっとしましたね。PALって名前も、初心者っぽいチャットの口調も、最初はただの偶然の出会いかと思ってたら…何かありそうな伏線を感じます。ジェビンが久しぶりに部屋を出て母親と話す場面、ああいうほっとする空気をちゃんと書けてるところ、好きです。次が気になります。
世の中
ネットがないと生きられなくなってきましたね
その事について
私が思っていることを
物語にしました
題名
フレンドリクエスト
「フレンドリクエスト?誰からだ?」
薄暗い部屋の隅。
ジェビンは赤い目でゲーミンクパソコンに向かっていた。
そのリクエストにカーソルを合わせる。そこには、『PAL』の文字が。
名前だろうか。
「『PAL』…外国人か?」
フレンドリクエストを無視するわけにもいかず、かといって無視する理由も見つからず、ジェビンは『承認』を押した。
「さて…チャットしてみるか…これ外国人だったらだいぶ気まずいぞ…」
よく分からない覚悟を決めた。
【こんにちは。日本人ですか。】
打ち込んだ。
すると、すぐに既読がつき、返信が来る
【こんにちは!私はPALといいます!よろしくお願いします!】
まるで、日本語を覚えたての外国人のような一言目。
…と言ったら失礼だろうか?
【よろしくお願いします。ジェビンです】
【ジェビンさん!よかったら、この後遊びませんか?】
突然のお誘い。
「この後か…暇だし、遊んでみるか。物は試しだ。」
【いいですよ。何しますか。】
【なんでもいいですよ!私はじめたばかりなので、よく分かりませんが…】
【わかりました。では…】
結局、対戦で遊ぶことに。
すると
【ジェビンさん、ボイチャつけれますか?】
ボイチャ。ボイスチャット。
【いけます】
【じゃ、お願いします~】
そのままジェビンは対戦のマップに入った。
すぐさま、ボイスチャットから声が。
「お願いしまーす」
間延びした、女性の声
聞いたことはなかった
「お願いします。」
そのまま、対戦開始。
やりこみの差なのか、ジェビンが勝利。
「負けちゃいましたね…悔しい」
画面の向こうで頬を膨らませていそうな声。
少し幼い。
「もう一度やります?」
「やります!勝つまでやりますよ!」
こうして、その日のうちに彼女が勝つことはなかったが、その日のうちに彼女ととても仲良くなった。
「あぁ、楽しかった!またやりましょうね!ジェビンさん!」
「もちろんです!では、またー」
ボイスチャットが切れる。
部屋に沈黙が流れた。
「…久しぶりに人と会話したな。」
いつぶりだろうか。
あんなにたくさんネットの中でも現実でも友だちがいたのに。
今、ほとんど誰もジェビンの周りにはいなかった。
「暇だなぁ…」
暇。
さっきまで楽しかった。
さっきと比べれば今は暇という枠には収まらないほど。
すると、部屋にノック音が響く
「ジェビン…?誰かいるの?」
母。PALと会話していたのが聞こえたようだ。
ドアを開ける。
ドアの前に母がいた。
「ジェビン。出てきたのね。」
「は?」
その廊下までもが懐かしかった。
今では母をジェビンが見下ろしている。身長差がだいぶある。
随分と長いこと、部屋のドアを開けていなかった。
気づかぬうちに、どれだけの時間が過ぎたのだろうか。
「大きくなったわね。あんなに小さかったのに。」
母の柔らかな笑み。
随分と久しぶりに見た。
「俺、そんなに部屋に閉じこもってた?」
「ええ。結構長かったわ。」
「…ごめん。」
「いいのよ。ちゃんと成長してくれてるみたいで安心よ。それで…」
「どうかした」
「誰かと話してなかった?」
「あぁ、ネッ友。」
「ねっとも?」
「ネットの中の友だち。」
「あぁ!なるほどね。で、どうする?まだ部屋いる?」
「うーん。たまには出ようかな。」
母の顔がぱあっと明るくなった。
「よかったわ!ご飯食べる?ちょうどいい時間だし。」
家庭の食卓の香りが鼻をくすぐる。
これが、安心感ってやつなんだろうな。
夕食を食べ、部屋に戻った。
すると。
【ジェビンさん。こんばんは、お話したいです。】
PALからチャット。
チャットを開く。
【いいですよ。】
打ち込んだ瞬間に返信。
【よかったです。ジェビンさんは】
切れた。文字が。
【はい】
【お友だちっていますか?】
【友だち?いますよ】
【それは良い。】
【どうかしましたか?】
その後。返信は来なかった。
聞くだけ聞いた、ということか。
暇にならない時間が長く続きそうだ。
○二話に続く○