爛れた関係

この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません

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深澤side 

3つのお弁当を作って、夫を送り出して、息子たちをたたき起こして、洗濯を干す。いつも通りの何気ない日常。その中に、俺は家族には絶対言えない秘密を隠し持っている。
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「あかんってわかっとんのに来てまうんやもんな？ほんま悪い男やで、笑」

『とか言って、俺が来る度に喜んでんのは何処の誰なんだか』

「…まあでも今日もやること決まってんねやろ？」

『そりゃ一個しかねえよな』

「ほら、脱がしたるからこっちおいで」

『ん。』

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めも

岩本照

岩本家の大黒柱。妻である辰哉との関係は悪くはないものの、冷えてきてしまっていると感じている。彼が別の男の元へ通っていることは一切知らないが、何となく言動から怪しいと思い始めている頃合いではある。ただし、照も同じような秘密を抱えている

岩本辰哉

旧姓が深澤のため、昔からの友人には”ふっか”と呼ばれている。夫である照との関係が冷えてきつつあることを此方も感じている。近所の大学生に声をかけられたことを切っ掛けに、一線を越えてしまってズルズルとその関係を続けている。今のところその関係を切る気もないようだ

岩本翔太

岩本家の長男、高校三年生。養子で引き取られたため、親である照、辰哉との年齢が非常に近い。最近マッチングアプリで良い出会いがあり、大学生の高身長イケメンスパダリ系彼氏ができたらしい。兄弟の中で一番背が低く、力も弱いことで後々痛い目を見ることとなる

岩本涼太

岩本家の次男、高校二年生。翔太と同じく養子で引き取られた。纏っている雰囲気が一般の学生と少し違うことから、学校でいじめに遭い不登校になった。勉強は家庭教師を雇って教えて貰っており、家族よりもその先生のことを信頼して懐いているようだ。翔太に家庭教師との距離が異常に近いことを心配されている。

岩本真都ラウール

岩本家の三男、高校一年生。上の二人に同じく養子で引き取られた。ベネズエラとのハーフらしい。本人希望によりミドルネームもそのまま採用。192cmと岩本家1の高身長。思春期真っ只中の甘やかされて育った末っ子。好奇心旺盛な性格が仇となり倫理観もくそもない行動に出てしまうことがある

向井康二

岩本家の近所に住んでいる大学生。お気付きではあるかと思うが、彼が辰哉の浮気相手である。数年前、ベランダで洗濯物を干している辰哉に一目惚れしてから挨拶、雑談、夫の愚痴や相談にのり “俺にしとけばいいのに” という思いから都合のいい男と化してしまった。

目黒蓮

翔太の彼氏である大学生。高身長で顔も運動神経も良いが、ちょっと頭が弱い。翔太のことを大事にしたい、卒業まで待つと言って、ハグ以上のことはしていない。全く手を出す素振りの無い態度に親からも信頼を得ているが、その誠実に見える態度の真意は別にあるようだ。

阿部亮平

岩本家に出入りする家庭教師。涼太が学校へ行かず、その分をずっと教えるという特殊な形態をとっているため、涼太と家に二人きりで過ごしていることが多い。その間、両親は働きに行っており、他の子二人は学校に行っているため彼らがどんな勉強をどんな方式で行っているのかは彼ら以外知らない。

佐久間大介

照の取引先の男。よく一緒に飲みに行く仲だと言うが、大介と飲みに行った日に照が家に帰ってきたことはほぼない。毎回彼の家に泊まるか飲み明かして帰るほど、気が合うらしい。照は家のことをあまり外で話さないし接点がないため知る由もないが、実は辰哉の同級生である