みなさんこんばんはtakuです。
前回の続きからです。
第11話へgo
■新しい関係の始まり
僕が涙を拭い終えたあとも、
三人の距離はすぐには戻らなかった。
かっちゃんも轟くんも、
まだ胸の奥がぐちゃぐちゃで、
まともに言葉を繋ぐことが難しい。
それでも——
逃げないって決めた。
かっちゃんがゆっくりと口を開く。
「……なぁ、デク」
「かっちゃん……?」
かっちゃんは視線を逸らしながら、
短く息を吐いた。
「今、“選べねぇ”って言ったよな」
僕の心臓が跳ねる。
さっきの本音が蘇り、頬が熱くなった。
轟が続く。
「選ばなくていい。
どちらか一人を取る必要も……誰かを切り捨てる必要もない」
「……でも……そんなの、許されるの……?」
僕の声は震えていた。
自分勝手なんじゃないか。
二人を傷つけるだけじゃないか。
ずっと、そう思っていた。
しかしかっちゃんは、
迷いを押しのけるように言う。
「許す許さねぇじゃなくてよ……
俺たちが“そうしたい”んだよ」
轟くんがそっとデクの手に触れる。
その手は温かくて、震えていて、
でも強く優しかった。
「……三人で、進んでみたい。
うまくいく保証なんてない。
だけど……お前を諦めるより、よほどいい」
爆豪も反対側から僕の肩に触れる。
「テメェがどっちも大事なら……
俺らも、お互いをちゃんと認めるしかねぇだろ」
デクは二人に挟まれて、胸が苦しくなるほど温かくなった。
逃げたくなるほどの優しさ。
怖くなるほどの好き。
でも——
(僕だって……二人が好きだ)
心の奥で、ようやくはっきり形になった想い。
僕は涙を浮かべたまま、強く首を振った。
「……僕……
それでも二人と一緒にいたい。
三人で……ちゃんと、進みたい」
その言葉に、かっちゃんの表情が緩む。
轟くんの瞳が静かに輝きを増す。
誰も声を荒げない。
誰も言葉を遮らない。
三人の気持ちが、
同じ方向を向いた瞬間だった。
かっちゃんが、不器用に笑う。
「……じゃあもう、覚悟しとけよ」
轟くんも微笑む。
「これから大変だぞ。だけど——悪くない」
僕は涙をこぼしながら笑った。
「……うん。大変でもいい。
僕……二人と一緒がいい」
三人の手が、そっと重なる。
完璧じゃなくていい。
ぎこちなくてもいい。
今日、この瞬間から——
三人は“恋人”になる。
それが、この関係の始まりの合図だった。
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