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俺は、寝るのが好きだ。だが、寝るのが不安になる時がある。その原因は、悪夢だ。 最近では悪夢を見ることが少なくなった。それは、主様と、ロノのお陰だ。悪魔化が治ってから悪夢を見なくなったんだ。だから、久々に見たあの悪夢にとても不安になって飛び起きてしまった。こういう時はどうすればいいだろうか……。
『…なら、不安になった時は俺のとこに来い。そういう時って、人肌が恋しくなるだろ?俺が寝てても遠慮なく起こせよ?』
『そ、それでは主様は…』
『あー、いーのいーの。俺夜更かし好きだし。眠深すぎて起きなかったらごめんだけど』
『俺、バスティンに助けられてばっかりだからさ、恩返ししたいの。』
『約束な!』
『あ、ああ…ありがとう、主様。』
そういえば、主様はこう言っていたな…。主様、起きているだろうか…いや、だが執事として夜遅くに主様を付き合わせるなんて…
『約束な!』
………。取り敢えず、行ってみよう。ベリアンさん達を起こさないように、静かに廊下を歩く。この時間に起きる事はあまりないから、なんだか新鮮だな。主様の部屋のドアを軽くノックし、音を立てないようにドアを開ける。
「主様…その、起きてるだろうか?」
「ん…んん?なんだ、バスティンか。どうした?」
「起こしてしまってすまない。…久しぶりに、あの悪夢を見たんだ。」
「……そうやったんか。今、眠い?まだ不安か?」
「……。」
「そっか、まだ不安なんだな。じゃ、その不安が無くなるまで俺と話でもしてよーぜ!」
「いや、主様にそんな事させる訳にはいかない。すまない、こんな時間に来てしまって。俺はもう大丈夫だから、寝てくれ。」
「あーそうやって遠慮する〜!こーゆー時くらい頼れっての!俺そんなに頼りないか?」
「いや、そんな事はないが…」
「じゃあ良いだろ!ほら、ここだとムーが起きちゃうから違うとこ行くぞ〜」
主様に背中を押され歩き出したが、本当に良いのだろうか。
「ほらほら、座って座って!今夜はなんでも言うこと聞いてやるからな!」
「だが…」
「だがもでももねぇよ。我儘ってのを覚えろよな。」
「我儘…?だが、俺は主様の執事「そう言うのいいから!今は忘れろ!」……わかった。」
「よし、それじゃなんでも言えよ!今日は遅いから無理やけど、どっか行きたいとこあるなら俺基本暇やからバスティンさえ良ければどこにでも行けるぜ!」
「何でもして欲しいこと言えよ!」
ふんすと胸を張る主様。何でも、と言われて真っ先に思い付いたのがラムリがいつも主様に強請ってるあれだった。
「…を………しい」
「ん?」
「頭を、撫でて欲しい。」
「え、かわよ。」
「かわ…?」
「ああいや、なんでもない。他には?」
「他…いつもラムリにやっているようにして欲しい。」
「オッケ、じゃあ…」
撫でて貰うなんて初めてだから、上手いだとか下手だとかは分からないが、何故だかとても胸が温かく感じた。
「はは、バスティン髪の毛ふわふわだな。」
「身だしなみには気を付けているからな。俺の髪は長いから髪の手入れは欠かさずやっている。」
「すげぇな、俺女なのにそんな事気にしねぇからなw」
「主様はそのままが1番素敵だ」
「きゅんときた」
「きゅん…?」
「いやなんでもない。と言うか我儘がこんなんでええの?っていうか我儘じゃねぇしこれ…」
「俺は頭を撫でられた事もないし抱き締められたことも無い。だから、主様に頭を撫でられて嬉しい」
「涙腺にきた」
「何回でも撫でてやるからな…!俺に撫でられるだけで嬉しいとかいい子すぎんか…!」
ギュ、と主様が俺に抱き着く。主様の体温が高いからか、ぽかぽかする。…顔も熱いのはなんでだ?
「お前暖かいな〜…」
「主様も暖かい。」
「はは、俺子供体温なんよ。」
そう言って離れていく主様の服を咄嗟に掴む。
「ん?どした?」
「あ…い、いや、なんでもない。」
「………バスティン、脚開いて」
「?こうか?」
主様が俺の脚の間に座り、こちらを向く。
「ほら、これなら抱き着かなくてもくっつけるだろ?」
「大丈夫大丈夫。風邪の時と一緒で不安な時って誰かとくっついていたいだろ?俺なんかで悪いけどさ」
さっきまではほわほわってしてたのに、何故か今はドキドキする。……なんで動いている訳でもないのにこんなに心臓が弾けそうなんだ
「なんか話するか?あ、そういえばさ〜、この前ロノが…」
「んでね、そしたらラムリが……」
「そうそう、あの時ナックが守ってくれて…」
「アモンが綺麗な花をくれて……」
「フルーレが裁縫教えてくれて……」
…?モヤモヤするのは何故だろう?
「そういえば、バスティンは動物好きなんよね?特に好きな動物とか居る?」
「俺が1番好きな動物…馬だと思う」
「だと思うってなんだよw自分の事だろ?」
「ふっ…そうだな」
「バスティン今腹空いてねぇ?」
「空いてるが、満たされてる感じがする」
「どっちww」
「……主様…」
「ん?どうした?」
「…あり…が…とう……」
俺は眠りについた。執事が主より先に寝るなんて…とも思ったが、睡魔には勝てなかった
「べ、ベリアンさん大変です!主様が、主様がいません!!」
「主様もですか?」
「え?もって…」
「バスティンの奴、いつもならまだ寝てんのに居ねぇんだよ。ったく、何やってんだよ…」
「とにかく、探しましょう!」
「は、はい!」
バスティンくんは強いので大丈夫でしょうが…もし主様に何かあっては…おや?あそこにいるのは…
「あらあら…こんな所に居たんですね」
バスティンくんの脚の間に主様が座り、バスティンくんにもたれかかって寝ている。そんな主様を抱きしめるかのようにしてバスティンくんは気持ち良さそうに寝ている。ふふ、なんと微笑ましいのでしょう。
「あ、ベリアンさーん!主様、見つかりました?」
「バスティンさんも見当たりません…」
「ちょっとご飯くん!ブーちゃんに主様が居ないって聞いたんだけど!?森とかも探す?!」
「静かに…ほら、あちらを見てください」
「ん?静かにって……ああ、そういう…」
「あーっ!ずるい!」
「まぁまぁラムリくん。気持ちは分かりますが、ソっとしておきましょう?」
「ふふ、こんな所に居たんですね。何も無くて良かったです!」