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付き合い始めてからも、
二人の日常はあまり変わらなかった。
こさめは毎日病院へ来るし、
すちは「また来たの?」と笑う。
違うのは。
触れる理由が増えたこと。
🦈「すち、手つめたーい」
🍵「こさめちゃんがあったかいんだよ」
🦈「じゃあずっと握っとこ」
そんな会話を、
自然にできるようになったこと。
そして。
すちが前より、
少しだけ“生きたい”顔をするようになったこと。
🍵「……退院したらさ」
夕方。
窓がオレンジ色に染まる病室で、
すちがぽつりと呟いた。
こさめはベッドに突っ伏したまま顔を上げる。
🦈「ん?」
🍵「水族館行きたい」
その言葉に、
こさめの目がぱっと輝く。
🦈「いく!!」
🍵「まだ行けるって決まってないのに」
🦈「行けるもん!」
即答。
その勢いに、
すちは少し笑った。
🍵「クラゲ見たいなぁ」
🦈「こさめペンギン!」
🍵「ペンギンもいいね」
🦈「あとおそろのキーホルダー買う!」
🍵「ふは、学生カップルみたい」
🦈「今さら!?」
病室に笑い声が響く。
でもその途中で、
こさめの笑顔が少し止まった。
――退院したら。
その未来を想像しようとして。
ふっと、
景色がぼやけた。
水族館。
クラゲ。
すち。
そこまでは分かる。
なのに。
“その先”が上手く浮かばない。
まるで未来に穴が空いてるみたいに。
🍵「……こさめ?」
呼ばれてはっとする。
すちが心配そうに見ていた。
🍵「だいじょぶ?」
🦈「へ? あ、うん!」
慌てて笑う。
でもその瞬間、
コトっと音がした
すちの視線が床へ落ちた。
そこには、
こさめのメモ帳。
床に落ちて開いたページに、
丸っこい字が並んでいる。
『すちは左手の方が落ち着くらしい』
『好きな飲み物は甘いやつ』
『絶対忘れたくない』
最後の一文を見た瞬間。
すちの呼吸が止まった。
🍵「……こさめちゃん」
声が少し震える。
🍵「これ、なに?」
こさめの顔から、
さっと血の気が引いた。
ねむい!
ねる!
おやすみ!
昼寝︎💕︎
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