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青視点
青「んん“ …」
桃「あ、まろ!やっと起きた〜…」
青「ん、ん?」
桃「え、もしかして覚えてない?」
えっと確か、文化祭に来とって…それでほとけが巫女服を着とって、、、
青「あ、」
桃「思い出したみたいだね」
桃「ここは保健室、頑張って運んできたんだから感謝してよね!」
青「うっ、ごめん…」
俺を保健室まで運ぶなんてめちゃくちゃ大変よな…申し訳ないわ、、、
ガラガラガラ
水「いふくん!大丈夫!?」
赤「ないくん、まろは!?」
桃「りうら、落ち着いて」
桃「まろは今目を覚ましたところだから」
赤と水「「よかった〜…」」
二人はさっきとは打って変わって制服姿や。この様子は、二人ともシフト終わりのようや。心配かけてもうたな、、、
青「ごめんな、心配かけて…」
水「僕の方こそごめんッ!そこまで耳弱いとは思わなくて…」
青「いや、大丈夫やで、、、」
俺は確かに耳は弱いけど、それ以上にほとけの声に過剰反応してもうた。あと、昨日の考えごとしすぎのせいによる寝不足も理由やと思う。
青「ただ、寝不足なだけやから…」
水「あ、そうだったの…?」
青「ごめん、変に心配かけて…」
それから二人で永遠に謝り合いが続く。終わる兆しが見えへん。
桃「はい!もう謝るの禁止!早く文化祭回ろう?」
水「うん!」
赤「そうだね!」
青「せやな!」
ないこの声と同時に俺らは再び文化祭の出し物があるエリアに戻った。
赤「どこから周る〜?」
青「あ、あそこフォトスポットや!」
桃「せっかくだし写真撮ろ〜!」
水「いいね〜!♪」
大きく「ご自由にお使いください」と書いてある教室に入る。そこにはいろんなフォトスポットがあった。トリックアートや文化祭の日程などと可愛らしいイラストが描いてある黒板アート。様々な種類があった。
まずトリックアートのところでりうらとないこが写真を撮り始めた。
赤「どう?大きく見える?✨」
桃「うん!見えるよ!」
水「二人とも楽しそうだねw」
青「せやなw」
兄弟二人で写真を撮りまくっとる。何とも楽しそうや。
水「僕らも撮ろうよ!」
青「おん!」
二人で大きなハートの前に立つ。そしてほとけがスマホの画角を調整してくれとる。
水「ほら、可愛いポーズしてよ!」
青「え、俺よくわからんよ…?」
可愛いポーズってなに?生まれてこの方そんなんやったことないんやけど…
水「ほら、ほっぺに片方のハートマーク作って!」
青「わ、わかった…」
ほとけに言われた通りにする。あ、ホンマや。かわええ。
水「はい、チーズ!」
パシャッ
水「よし、撮れたよ!」
ほとけと一緒に写真の写りを確認する。ブレもなく完璧や。それにしてもいつにも増してめちゃくちゃほとけがあざとかわええ…これは国宝級や、、、
青「これあとで送ってや! 」
水「もちろん!何なら今送るね!」
ピコン
スマホを見るとこの前交換したラインで写真が送られてきとった。その写真を保存し、素早くスマホの壁紙にする。好きな人とのツーショットとか最高すぎる…
赤「そっちも撮り終わった〜?」
水「うん!」
青「じゃあ移動しよか」
桃「そうだね!」
あれから出店の前の廊下を歩き回っていく。縁日にマジックショー、わたあめなどいろんな出し物があった。さすが文化祭に力を入れとるってないこが言っとっただけある。
赤「あ、あそこお化け屋敷だ 」
桃「いいじゃん!行こうよ!!」
ど、どうしよう…
実は俺はお化け屋敷が大の苦手や。しかし、りうらとないこは行きたがっとる。せめて、ほとけが断ってくれれば何とかなる。お願い、断ってくれ…
水「僕も行きたーい!」
俺の願いは可愛らしい好きな人の声によって絶たれた。ついに断る術がなくなり、頭が真っ白になる。
桃「まろは?」
青「へっ?あ、うん。ええよ」
水「じゃあしゅっぱーつ!」
赤と桃「「いえーい!」 」
こうして俺は苦手なお化け屋敷に行くことになってしまった、、、、
桃「二人ペアで行動するみたいだね」
ないこが説明書きを読み上げる。広さに限界があるからやと思う。
赤「じゃあないくん一緒に行こ〜!」
桃「もちろんいいよ!」
水「じゃあいふくん!よろしくね?」
青「お、おん…」
並び始めたはいいものの俺の恐怖心が消えることはなかった。むしろ増していくばかりや。ホンマにどうしよう…
「次の方どうぞー!」
桃「じゃあ行ってくるね!」
水「うん!」
桃「またあとでね〜」
青「おん!」
中に入っていくりうらとないこを見守る。二人は楽しそうな笑みを浮かべながら入っていった。俺には到底真似できそうもない。あの二人は怖いもんは得意みたいや。その証拠に悲鳴の一つも聞こえて来ない。
ないこたちが呼ばれたってことはついに次は俺らの番や。恐怖でガタガタと震えそうになるが、ほとけが隣にいるのに年上の俺が失態を見せるわけにはいかん。そう思い必死に堪える。冷静に、落ち着いて、、、
「次の方どうぞー!」
水「はーい!」
水「行こ?いふくん!」
青「おん、!」
さっきまで恐怖心でいっぱいやったけど、ほとけの笑顔を見たら怖さとか何だかどうでも良くなった。まぁ、と言っても怖いもんは怖いんやけど…
そして俺たちはお化け屋敷に入っていく。
水「結構本格的だね…」
青「せやな…」
お化け屋敷には普通の教室やなくて、広めの部屋が使われとる。置いてあるもの全てから苦労や頑張り、こだわりが伝わってくる。そういえばこの化け屋敷は3年生が作ったって書いてあったな…今年で卒業やからこんだけ気合いが入っとるんやな。
そして、このお化け屋敷は真っ暗の中を懐中電灯で照らしながら進んでいくスタイルや。遊園地とかでよくあるやつやな。でも、文化祭にしたらかなり本格的やな。ちなみに二人に一つ配布される懐中電灯はほとけに任せた。俺は叫び声を抑えるだけで必死になると踏んでや。
「ぐおおおぉぉ!!」
青「ぎゃーッ!?」
水「だ、大丈夫いふくん!?」
青「だいじょばないぃ…」
半泣き状態になりながらほとけにしがみつく。怖過ぎて震えが止まらへん。
水「よしよし…」
青「んぅ…」
ほとけが俺を安心させるために頭を撫でてくれる。そのおかげで少し落ち着いた。
青「ごめん、迷惑かけて…」
水「迷惑なんじゃないよ!」
水「お化け屋敷なんだから怖がってなんぼでしょ!」
青「それもそうやなw」
お化け屋敷は怖がらせるんが目的なんやから、この反応がある意味正解か。逆に悲鳴がなかったら作った人らはお化け屋敷として失敗かと不安になると思う。じゃあいいか…?
ガタガタガタッ
青「ひっ!?」
突然何かが揺れる音がして、驚いて再びほとけに抱きついた。怖い…怖すぎる、、、
水「いふくん、手繋いで行こ? 」
青「おんっ…!」
涙を流す俺の手をほとけがぎゅっと繋いでくれる。その温かさに安心した。
青「ぎゃあ!?」
青「うぉ…!?」
俺はその後も悲鳴をあげ続けた。
青「はぁ…はぁ…」
俺は涙をほとけにハンカチで拭かれながらなんとか外に出ることができた。ホンマに怖かった…
桃「まろ!大丈夫!?」
青「うぅ…」
水「いふくん相当怖かったみたい…」
赤「まぁ、本格的だったもんね…」
ないこに心配されながら、俺は少しずつ涙が止まっていった。
青「ぐすっ…」
青「もう大丈夫、、、」
水「一回休憩しよっか」
桃「そうだね」
そして俺らは一度休憩するために中庭に向かった。
水「はい、これお水」
青「ありがとう…」
中庭のベンチで休憩する。ほとけからもらった水を飲むと、涙の流しすぎで枯れきった体に染み渡った。
青「うま…」
赤「ほんとにまろ大丈夫?」
青「うーん?なんとか…?」
「これにて文化祭は終了になります。お客様はお気をつけてお帰りください」
桃「あ、もう終わりの時間だ…」
終了のアナウンスが流れ、俺らに文化祭の終わりを告げる。色々あったけど、なんだかんだ楽しかったな〜…
桃「じゃあ俺たちもう帰るね!」
青「誘ってくれてありがとうな!楽しかったで!」
水「こちらこそ来てくれてありがとう!」
赤「ばいば〜い!」
二人に見送られ、文化祭を後にした。
桃「どう?楽しかった?」
青「おん!めっちゃ楽しかったで!」
帰り道、ないこと余韻に浸りつつ駄弁りながら帰る。
桃「いむとの恋、上手くいくといいね」
青「おん!ありがとうな!」
今日の出来事でほとけのことをもっと好きになった。これから好きになってもらうためにもっとアプローチせんとな!
俺は喝を入れ直した。