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ジンペイは隣のブランコに座り、アゲハはブランコを囲ってるメラの目の前の鉄柵に座った
メラ「…アニキ達も疑ってんのかよ?俺の事」
ジンペイ「疑ってる」
アゲハ「信じたいんだけどね…;」
ジンペイは目を閉じて言い放ち、アゲハは眉を下げて言う
メラ「………」
ジンペイ「お前…本当は彼女いるだろ?」←
メラ/アゲハ「「そっちかよ!!」」
てっきりトラックの事かと思っていたのに全然違う事で、メラは思わず突っ込んでアゲハはずっこけた
アゲハ「もぉ~…ジンペイ…;」
ジンペイ「なあ、メラと獅子黒ってどういう関係なんだ?」
ジンペイにそう尋ねられ、メラは俯く
メラ「まあ、色々と複雑なんだよ。
アイツは、俺の子分っていうか…親分だったって言うか……」
「「え??」」
メラの意味深な呟きに、2人は頭の上に『?』をつける
メラ「俺がアイツと初めて会ったのは、6歳の時だ」
メラは再び顔を上げると、自分の過去を綴り始めた
メラside
あの頃の俺は、頭も悪くて、拳でしか自分を主張出来なくて…
そんなある日……
モブ『おらっ!』
路地裏に連れてこられたメラは悪ガキのリーダーらしき男の子に突き飛ばされる
メラはそのまま地面に倒れ込んだ
モブ₂『お前、生意気なんだよ』
そう声を上げる男の子の後ろにも、子分らしき2人の男の子が気色の悪い笑みを浮かべている
だが、メラはそんな3人に全く怯みもせず、寧ろゆらりと立ち上がった
3人は吃驚する
が……
リーダーの男の子は近くに落ちていた鉄パイプを拾い上げる
『これならどうだ!!』
鉄パイプはそのままメラの脳天に当たる……
かと思いきや、褐色肌の手がそれを軽々と受け止めた
『『『『!?』』』』
メラも含めた4人は驚いてその人物を見やる
この鉄パイプを掴んだ人物こそ、獅子黒だったのだ
『チクショー!行くぞ!』
リーダーはお決まりのセリフをメラに吐き捨てると、子分と共に路地裏を去って行った
メラ『…お…おい、お前!誰が助けてくれと頼んだ!?』
メラは大きな瞳で獅子黒を睨み付ける
獅子黒『助けたんじゃない。此奴が喧嘩に使えそうだった。
それだけだ』
獅子黒『あばよ』
獅子黒は冷たく言い放つと、路地裏を出ていく
その後ろ姿が、メラには輝いてるように見えて……
メラ『……待て!!』
その姿がカッコよくて、俺は後を着いて行った
俺をイジメた悪ガキ達に、仕返しをしたくてさ
メラ『俺に喧嘩を教えてくれ!』
獅子黒に追いついたメラは、唐突に言い放った
だが獅子黒は、それに動揺することなくフッと含み笑いする
獅子黒『…ソイツは面白そうだな』
それから俺は、特訓に明け暮れた
獅子黒『おい、どうした!!スローモーションの練習か?』
タイヤの付いたロープを腰に巻いて引きずり、
獅子黒『そんな動きじゃ、蚊に刺されちまうぞ!!』
自分の拳を容赦なく獅子黒にぶつけて…
メラ『うぉりゃぁぁあ!!!』
お陰で俺は、メキメキと力を付けていった
特訓を一通り終えたメラは、地面に膝をついて激しく乱れた息を整える
獅子黒『…根性だけは、一人前の様だな』
獅子黒『ほら、飲め』
メラは牛乳瓶を受け取り、乾ききった喉を潤した
……でもよ…強くなるうちに、最初の目的だった悪ガキ達への仕返しなんて
どうでもよくなっちまってな…
その事を獅子黒に話したら……
獅子黒『お前がやらないなら、俺がやってやるよ』
獅子黒は悪ガキ達の前に立ちはだかる
『『『ヒィィ…』』』
それを見たメラは、大慌てでその間に割り込んだ
メラ『やめろ!!』
『お…お前……』
悪ガキ達は唖然としてメラを見やる
獅子黒『…………フッ、』
獅子黒は安心したような笑みを浮かべ、メラを見やった
それがキッカケで、その悪ガキ達とも仲良くなってよ。
…あの時、獅子黒は俺に教えてくれたんだ
獅子黒『いいか?強さとは、誰かを倒せるって事じゃない。
強さとは、誰かを守れる事』
メラ『守れる事…?』
獅子黒『いつか、本当の勝負の時が来る。覚えておけ』
その後すぐだったかな…
獅子黒は事故に遭って、死んじまって……
メラ『……見ず知らずの子を助けるなんて……
獅子黒…お前は強いよ……!』
夕日の中、メラは目に浮かべた涙を拭いながらそう呟いた
メラside終了
メラ「まあ、そっから色々あって、獅子黒は今の姿になって……
で、なんで今彼奴が俺の子分になってるかっていうと……」
話してる途中でやけに嗚咽の様な啜る音が聞こえ、
メラは俯いていた顔を上げて2人を見やると……
めっちゃ泣いていた←
それはそれは、もう滝の如く(((
アゲハも凄く泣いているが、ジンペイの泣き方が明らかにおかしく、
涙腺崩壊してるんじゃね??って言うくらい泣いていた
メラ「めっちゃ泣いてるし!!」
メラはドン引きして突っ込んだ
アゲハ「メラ先輩とカズマ君にそんな大切な過去があったんだね…
2人とも格好良すぎ……」
アゲハは止めどなく溢れる涙を手の甲でぐしぐしと拭う
ジンペイ「おっ、お前達、良い奴だったんだなっ!
よし、解った!
メラも獅子黒も良い奴だって、俺とアゲハが皆に教えてやるっ!」
ジンペイは背景をキラキラと光らせ、ひっくっひっくと嗚咽を漏らしてメラにそう伝えた