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「大都がまだ3〜4歳のぐらいの時特別養子縁組を受けて引き取った子なんです。」


特別養子縁組

特別養子縁組とは、子供の福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。様々な事情で育てられない子供が家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた。



「私も旦那も子供が好きで….でも、私自身身体が弱くて子供を産むことが出来なくて いっときは、子供のことは諦めて二人で過ごそうと思ったんですけど….特別養子縁組のことを知って受けました。それで大都を引き取りました

旦那と私と大都の三人の暮らしは、すごくすごく幸せで楽しくてすべてが新鮮でした。小さくて可愛くて、あの小さな足もぎゅっと握った手もどれもが可愛くて」

幸せそうに頬を緩め優しい眼差しで当時のことを思い出しているかのように語ってくれた。

「二年前に旦那がなくなってその時の葬式にあの子も来て、少し話したら「すぐに仕事があるからって」帰っていたんです。でも、あの子すごく体調悪そうだったんです。だから電話もLINEもしてるのに返ってこなくて….たまに返ってきても「大丈夫」しか返ってこないんです」

茉莉子さんの瞳の奥も淋しそうに翳りを帯びていた。

「月に何回かあの子が住んでいるアパートにも行ったんですけど_会えなくて。ちゃんと働いているのかご飯食べているのか」

「…..」

顔を俯き今にも泣き出しそうにスカートの裾をギュッと掴みゆっくりと言葉を紡いだ。

「私….もう一度あの子に会いたいんです。

見えなくなる前に」

その言葉に時間が止まったかのように重苦しい沈黙が流れた。

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