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儂は、茉莉子さんの方を視るも*「見えなくなる」*という言葉の意味が理解できた。

そうか….この人。

儂だけじゃなくて成千神も紫も気づいている。

張り詰めた空気の中成千神の声が優しく部屋の中に響いた。

「茉莉子さん」

「はい」

「大都くんにはすぐに会えるから大丈夫やよ。 そんな泣き出しそうな顔をしなくても大丈夫や」

「えっ….」戸惑っている茉莉子さんに成千神は澄んだ優しい目でつぶやいた。

「茉莉子さんが大都くんを大切に思っていること大都くんも知っとるから」やわらかな声で茉莉子さんの目を見て言った。

肩を震わせ唇を噛み締め泣かないように、成千神と目を逸らしている。

「……あっ、今何時かしら」

「15時30分や」

「あら、もうそんな時間だったの….」少しばかり掠れた声を出す茉莉子さんに、切なくなり胸に突き刺さる思いだ。

「ほな、じゃあそろそろお暇させてもらうわ」

成千神が立ち上がり儂も紫も立ち上がった。

「茉莉子さん。美味しいチャイを出してくれてありがとう」

「いえ。初めて会ったとは思えず….いろいろ話を聞いてくださりありがとうございました」やわらかに微笑み儂らの方に軽く頭を下げ、すぐさま顔を上げると茉莉子さんが成千神を見つめていた。

成千神も茉莉子を見つめている。その目はどこか憂いの滲むように見えた。

成千神は、会ったことないと言っていたが ほんとうは会ったことあるんじゃないかー。


茉莉子さんの家を出ると神輿が人に見えないようにすぐ近くにあった。

「成千様!!」

「お〜!ここまで来てくれたん ありがとう青竹」

「いえ、紫殿も波羅蜜殿もお乗りください。」

「ありがとうございます。」

神輿に乗るとすぐに紫が少しばかり強い声で成千様に言った。

「成千、あんたやっぱりあの人間と会ったことあるんじゃないの?しかもあの人手術とかしないと本当にー」

「紫。たしかに オレは茉莉子さんに会ったことはある」

「えっ…..」

どういうことなのかわからず儂は、成千様をただ見ていた。静かに動く神輿の中で、澄んだ優しい目で淡々と語りだした。

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