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コメント
5件
更新凄く楽しみにしてます!!
ぎゃーつらいいい
読んだ…読んじゃったよ…😭💔 仁人の「俺の幸せ、勇斗なんだけど」で心臓ぎゅーってなった…! お互いを想えば想うほど離れざるを得ないのが切なすぎる…最後の『ありがとう』のやり取り、何も言えなかった2人の気持ちがひしひし伝わってきて泣いたよ… Coco先生、尊くて苦しい最高のお話をありがとうございます…!!次も絶対読むからね…!!😭🌸
高校3年生、夏。蝉の鳴き声が響く教室で、仁人は机に突っ伏していた。
夏休みまで、あと一週間。
周りの生徒たちは、成績の話で盛り上がっている。
そんな中、仁人のスマホが震えた。
勇斗からだった。
『今日、話したいことある』
その短いメッセージを見て、仁人は少しだけ胸
騒ぎを覚えた。
💛「……何だろ」
最近の勇斗は、以前にも増して忙しくなっていた。
デビューに向けた撮影、ダンスレッスン、歌の練習。
学校に来られない日も増えていた。
それでも、仁人は寂しいとは言わなかった。
言ってしまえば、勇斗を困らせる気がしたから。
放課後。
二人は、いつもの公園で待ち合わせた。
勇斗はベンチに座って、ペットボトルの水を飲んでいた。
💛「お待たせ」
🩷「おう」
隣に座る。
しばらく、何も話さなかった。
いつもなら、勇斗がくだらない冗談を言って、俺が笑う。
でも、今日は違った。
🩷「……仁人」
💛「ん?」
🩷「俺、来月から本格的に活動が始まる」
💛「……うん」
🩷「たぶん、今まで以上に忙しくなる」
💛「うん」
勇斗は、手元のペットボトルを見つめた。
🩷「それでさ……」
一度、言葉を切る。
🩷「俺、ちゃんと考えなきゃいけないと思ってる」
ゆっくりと顔を上げた。
💛「……何を?」
勇斗は答えなかった。
その沈黙が、何よりも怖かった。
💛「……勇斗?」
🩷「……俺たちのこと」
俺の心臓が、大きく跳ねた。
🩷「俺、アイドルになるんだよね」
💛「……うん」
🩷「たくさんの人に応援してもらって、夢を届ける仕事をする」
💛「……うん」
🩷「だから、今までみたいにはいかないと思う」
膝の上で両手を握った。
💛「……それって」
声が震えそうになる。
💛「…俺たち、別れるってこと?」
勇斗は、すぐには答えなかった。
その一瞬で、俺には十分だった。
💛「……そっか」
俺は笑った。
笑おうとした。
けれど、口元がうまく動かなかった。
🩷「……ごめん」
💛「何で謝るの?」
🩷「……仁人」
💛「俺、勇斗が夢を叶えるの、ずっと応援してたよ」
勇斗は、顔を上げた。
💛「オーディションに受かったときも、選抜に選ばれたときも、デビューが決まったときも……全部、嬉しかった」
仁人の目に、少しずつ涙が溜まっていく。
💛「でもさ……」
一度、息を吸う。
💛「俺、勇斗の恋人でいたかった」
勇斗は何も言えなかった。
💛「……ずっと、隣にいたかった」
💛「1人で辛い時もいっぱいあったよ、だけど勇斗に迷惑かけたくなくて我慢して来たこともいっぱいあって、」
勇斗に、ぶつけた本音。
話しながらしゃくりあげ、涙が溢れてくる。
💛「恋愛と夢なんて、2つも叶えられると思ったの?」
公園には、夕方の風が吹いていた。
遠くで子どもたちの笑い声が聞こえる。
いつもと同じ景色なのに、今日は何もかもが違って見えた。
🩷「……俺だって」
勇斗の声が、少しだけ掠れた。
🩷「仁人と一緒にいたいよ」
💛「……じゃあ、何で?」
その問いに、勇斗は答えられなかった。
仁人のことが好きだった。
今でも、誰よりも。
けれど、自分が夢を諦める未来は考えられなかった。
そして、仁人を自分の都合で縛りつけることもしたくなかった。
🩷「……俺、仁人に幸せでいてほしいんだ」
俺は更に涙をこぼした。
💛「……俺の幸せ、勇斗なんだけど」
その言葉は、勇斗の胸を深くえぐった。
帰り道。
二人は、手を繋がなかった。
いつもなら、勇斗が自然に手を伸ばしてくれる。
仁人も、当たり前のように握り返していた。
でも、今日は違った。
駅に着くと、勇斗が立ち止まった。
🩷「……仁人」
💛「……何?」
🩷「今まで、ありがとう」
仁人は、俯いた。
💛「……やめてよ」
🩷「……」
💛「そんな言い方しないで」
勇斗は、仁人の顔を見つめた。
本当は、抱きしめたかった。
もう一度、好きだと言いたかった。
けれど、それをしたら、きっと離れられなくなる。
だから、勇斗は一歩も動かなかった。
💛「……勇斗」
🩷「……うん」
💛「俺、勇斗のこと、嫌いになれないと思う」
勇斗の目が揺れた。
💛「だから、ちゃんと夢を叶えてね」
その言葉を最後に、仁人は改札へ向かった。
勇斗は、その後ろ姿を見つめ続けた。
改札を通る直前、仁人が一度だけ振り返る。
目が合った。
けれど、どちらも手を振らなかった。
仁人はそのまま、ホームへと消えていった。
その夜。
勇斗は、自分の部屋で一人、スマホを握りしめていた。
仁人とのトーク画面。
最後のメッセージは、数日前のもの。
『明日、学校でね』
たったそれだけの言葉が、どうしようもなく懐かしかった。
勇斗は、文字を打ち込む。
『ごめん』
消す。
『大好きだよ』
また消す。
何度も繰り返して、結局何も送れなかった。
スマホを伏せ、ベッドに横になる。
🩷「……仁人」
目を閉じると、初めてキスをした日のことが浮かんだ。
照れくさそうに笑う顔。
自分の名前を呼ぶ声。
隣で眠ってしまったときの、あたたかさ。
勇斗は、枕に顔を埋めた。
🩷「……ごめんな」
🩷「どれだけお前に我慢させたんだろ…」
誰もいない部屋で、初めて泣いた。
一方、仁人もまた、眠れずにいた。
机の引き出しを開ける。
中には、二人で撮った写真が何枚も入っていた。
初めて行った海。
文化祭の帰り道。
クリスマスに撮った、少しぶれた自撮り。
どれも、幸せそうに笑っている。
仁人は、一枚の写真を手に取った。
勇斗が後ろから抱きついて、俺が照れくさそうに笑っている写真。
💛「……大好きだったな」
違う。
今も、好きだった。
写真を胸に抱きしめた。
涙が、ぽたりと落ちる。
💛「……勇斗の夢、叶いますように」
それが、俺にできる最後の応援だった。
数か月後。
勇斗は、デビューの日を迎える。
大勢のファンの前で、スポットライトを浴びる。
歓声が響く。
メンバーと肩を組み、笑顔でステージに立つ。
その瞬間、勇斗は客席を見渡した。
どこかに、仁人がいる気がした。
もちろん、いるはずがない。
それでも、無意識に探してしまう。
そして、マイクを握り直した。
🩷「……ありがとうございました!」
歓声がさらに大きくなる。
夢に見たステージ。
ずっと立ちたかった場所。
なのに、胸の奥にはぽっかりと穴が空いていた。
その夜、勇斗はホテルの部屋で、デビュー記念の写真を眺めていた。
スマホの通知が一件。
仁人からだった。
💛『デビューおめでとう。ずっと応援してる』
勇斗は、しばらく画面を見つめた。
そして、短く返信した。
🩷『ありがとう』
それ以上は、何も送れなかった。
それ以上は何も聞かなかった。
二人の恋は、そうして静かに終わった。
けれど、二人とも知らなかった。
何年も先、もう一度出会う日が来ることを。
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